クーポンでマンションの電力を削減、タブレット端末を200世帯に配布:エネルギー管理
マンションの居住者を対象にした新しい節電サービスの実証実験が7月から始まる。タブレット端末を200世帯に無償で配布して、電力需要がピークになる前日に映画館やスーパーの割引クーポンの情報を送って当日の外出を促す狙いだ。夏の昼間などにピークカットの効果が期待できる。
MEMS(マンション向けエネルギー管理システム)の導入実績で先行するファミリーネット・ジャパンと、オンラインクーポンを展開する大日本印刷が共同で、7月1日から実証実験を開始する。2014年6月30日までの1年間かけて効果を検証する予定だ。
ファミリーネットのエネルギー管理サービス「me-eco(ミエコ)」を利用している8000世帯以上の中から、マンションに居住する約200世帯を対象に選ぶ。対象の家庭にはグーグルのタブレット端末「Nexus7」を無償で配布して、専用のアプリケーションでクーポン情報や電力使用量のデータを提供する(図1)。
このアプリケーションを通じて、夏の昼間などに電力需要がピークになることが予想される前日にクーポンの案内情報を配信する(図2)。
提供するクーポンは映画館やスーパー、レストランなどを想定している。大日本印刷は以前から携帯電話向けにオンラインクーポンのサービスを実施していて、同様の仕組みでクーポンの協賛企業を募集する。
夏の昼間などに電力需要が増加して供給不足の可能性が生じるような場合には、家庭や企業が電力の使用量を抑える「ピークカット」が効果的だ。割引クーポンを利用するために日中に外出する人が増えればピークカットにつながる(図3)。MEMSを活用した新しいタイプの節電促進サービスとして、実証実験の結果が注目される。
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