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電力小売にJFEエンジニアリングも、全国の廃棄物発電を活用:電力供給サービス
大規模な発電プラントの建設を数多く手がけるJFEエンジニアリングが、4月1日から電力の小売事業に参入した。全国各地に建設した廃棄物発電プラントの電力を主体に首都圏で小売を開始する。電力小売の全面自由化が始まる2016年には販売量を5億kWhの規模に拡大する計画だ。
電力の小売全面自由化を前に、有力企業の参入が相次いでいる。プラント建設大手のJFEエンジニアリングは新電力の「アーバンエナジー」を通じて、4月1日から電力小売事業を開始した。当初は広島県にある「福山リサイクル発電」から電力を調達して、JFEグループの横浜市内にある工場やオフィスに販売する。
福山リサイクル発電は広島県内の生ごみを加工した固形燃料を使って、22MW(メガワット)の電力を供給する廃棄物発電プラントである(図1)。JFEエンジニアリングが建設して2004年から稼働している。この廃棄物発電の電力のうち、年間に8000万kWhを調達して小売事業を開始する。
さらに2年後の2016年には電力の調達量を5億kWhまで増やす計画だ。企業向けの電力は1kWhあたり10円〜15円程度で取引される場合が多い。5億kWhの販売量で年間の売上は50億円を超える。
JFEエンジニアリングは福山リサイクル発電のほかにも廃棄物発電プラントを中心に電力を調達する方針である。廃棄物発電プラントは固定価格買取制度の対象外になるものが多い。小売事業を展開することで発電事業者を支援する狙いもある。
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