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通勤電車の運転電力を36%削減、モーターの制御装置を高効率に省エネ機器

首都圏で運行する小田急電鉄は通勤用の車両をリニューアルして、運転中に消費する電力を満員乗車時に36%削減する。電車を動かすモーターの制御装置に最先端の半導体を搭載して電力の利用効率を高める。走行試験を実施したうえで2014年12月から営業運転を開始する予定だ。

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 小田急電鉄は1988年に投入した初のオールステンレス車両「1000形」に新しいモーター制御装置を搭載する(図1)。この車両は通勤用に現在でも196両が運行していて、そのうち160両を順次リニューアルする計画である。


図1 小田急電鉄の通勤車両「1000形」(左)と新たに搭載する「VVVFインバーター装置」(右)。出典:小田急電鉄、三菱電機

 電車を動かすモーターの制御装置に最新の「VVVFインバーター装置」を搭載して、運転中の消費電力を大幅に削減する。VVVF(可変電圧・可変周波数)方式は電車の速度に応じて電圧や周波数を変化させながら、モーターの回転数を効率よく制御することができる。それに加えてブレーキをかけた時に発生する回生電力の発電量が増える効果もある。

 三菱電機が開発した小型・軽量のVVVFインバーター装置を採用した。従来の1000形の車両と比べて定員乗車時で20%、消費電力が大きくなる満員乗車時には最大36%の削減効果を見込む。電車の架線から送られてくる1500ボルトの直流の電力を交流に変換できるVVVFインバーター装置を搭載するのは世界でも初めての試みになる。

 小田急電鉄は4両1編成の車両に新しいインバーター装置を搭載して、走行試験の後に2014年12月から営業運転を開始する予定だ。さらに2015年3月までに8両2編成に増やす。今後リニューアルの対象になる160台の車両では、合わせて室内照明をLEDに切り替えて、省エネ性能をいっそう向上させる。

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