太陽光発電と電気自動車でラジオ生放送、2時間の電力を自給自足:スマートハウス
首都圏でラジオ放送を運営しているJ-WAVEが太陽光発電の電力だけを使って2時間の生番組を中継した。場所は千葉県にある1棟のスマートハウス。日中に電気自動車に充電した太陽光発電の電力を日没後に家の中に供給して、放送機材のほかに照明や空調、電子楽器や電磁調理器などで利用した。
J-WAVEが5月4日(月)のみどりの日に実施したイベントで、スポンサーの積水化学工業が建設したスマートハウスからラジオ番組を放送した。当日は晴れて最高気温が25度まで上がり、スマートハウスの屋根に設置した太陽光発電システムから電気自動車のバッテリーに十分な電力を貯めることができた(図1)。
放送が始まった18時から27分後に日没を迎えたため、電力の大半は電気自動車から供給することになった。電気自動車は日産リーフを使用。リーフの充電容量は24kWh(キロワット時)あり、放送開始の時点で20.2kWhの電力が蓄えられていた。2時間の番組中にトークだけではなく、料理をしながらホームパーティを開き、シンガーソングライターの山崎まさよし氏を中心にライブ演奏を披露した(図2)。
2時間の放送で消費した電力は5.7kWhで、一般家庭の使用量(1日あたり10kWh)の6割弱に相当する。ラジオ放送と映像撮影の機材をはじめ、放送用の回線、電子ピアノやIHクッキングヒーターでも電力を使った。スマートハウスの照明やエアコンの電力を含めて、太陽光発電で余裕をもって自給自足することができた。
太陽光発電と電気自動車を連携させるシステムには積水化学工業の「V to Heim」を利用した。太陽光発電用とは別に電気自動車用のパワーコンディショナーを併用する仕組みで、HEMS(家庭向けエネルギー管理システム)を使って電力の需給状態を制御する(図3)。
生放送を終えて山崎氏は「自給自足の電力でライブができることがスゴイ。発電機などと違うので静かに電気ができるからライブも問題なくできた。今後は映像でのライブ生中継もしてみたい」と語った。
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