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岩手県最大クラスの出力21MWメガソーラー、東北の主要地銀が初の協調融資:自然エネルギー
再生可能エネルギーの導入が進む岩手県で、県内最大規模となる出力21MWの「滝沢市メガソーラー」が2015年12月末から発電を開始する。岩手銀行をはじめとする東北の主要地銀6行が初めて協調融資を行った事例となる。
岩手県中部の滝沢市後に同県最大規模となる出力21MW(メガワット)、総事業費77億円のメガソーラー「滝沢市メガソーラー」が完成する(図1)。年間発電量は一般家庭約6100世帯分相当となる2180万kWh(キロワット時)で、発電した電力は2015年末をめどに東北電力への売電を開始する予定だ。
滝沢市メガソーラーの開発を手掛けるのは、半導体関連製品の販売を手掛けるバイテックなどが設立した合弁会社のバイテック・漁火館滝沢市メガソーラーだ。この事業で特徴的なのが、今回の滝沢市メガソーラーの建設に対し、岩手銀行、青森銀行、秋田銀行、七十七銀行、山形銀行、東邦銀行の6行が事業資産を担保にした融資契約であるプロジェクトファイナンスの形式で協調融資(シンジケートローン)を行った点だ(図2)。
協調融資の総額は68億円。東北の主要地銀6行のみでプロジェクトファイナンスを組成した事例はこれが初となる。案件を取りまとめるリードアレンジャー(主幹事)は、岩手銀行が務めている。
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