スマートメーターの簡単管理と家電の遠隔操作が行えるドングル:スマートホーム
NTT東日本は、電力小売全面自由化に伴うHEMSサービス活用ニーズの高まりとスマートメーターの今後の普及を見据えて、HEMSサービス「フレッツ・ミルエネ」利用者向けにスマートメーター対応USBドングルを発売した。
電力小売自由化に伴い、多くの電力小売事業者が登場する中、事業の差別化の要因として注目を集めているのが、スマートメーターの情報経路の内「Bルート」を活用した付加価値サービスだ。スマートメーターからの情報伝達ルートには、3つのルートが存在する。電力会社向けの「Aルート」、電力会社を通じて小売事業者などにデータを送る「Cルート」に対し、スマートメーターとそれが設置されている建物内のHEMSを結ぶ情報伝達ルートが「Bルート」である。
今回NTT東日本が投入したUSBドングルは、このBルートを活用して、スマートメーターや家電を制御するというものだ。スマートメーター対応USBドングルをフレッツ光のホームゲートウェイ(HGW)に接続することで、スマートメーターからの正確な電力使用量の計測が可能となる。従来は必要だった分電盤への計測器の設置が不要だ。価格は5000円(税別)(図1、図2)。
この構成で、2015年2月に第三者認証機関による実機試験での使用適合性認証であるSMA(スマートメーターアプリケーション)認証を取得している。リアルタイム遠隔家電操作はスマートフォンやタブレットに専用のアプリケーション「ミルエネ家電コントローラー」をダウンロードすることで、家電やスマートメーターなどの制御を規定したHEMS構築のための通信規格であるECHONET Lite対応家電の操作が可能となる(図3)。
これまでNTT東日本が提供していた家電操作は操作指示が反映されるまで5分程度のタイムラグがあったが、今回、HGWに家電操作ソフトウェアの配信を行うことでリアルタイムに操作が可能となる。リアルタイム遠隔家電機能はスマートメーター対応USBドングルを購入者のみに提供する。遠隔家電操作機能の提供料金は無料。対応する家電メーカーはシャープ、ダイキン工業、東芝ライフスタイル、パナソニック、富士通ゼネラル、三菱電機。対応機種の一覧は2016年4月に公開する予定としている。
提供エリアは東京電力管内で、その他のエリアは電力会社のスマートメーター設置・Bルートサービス提供スケジュールに応じて順次提供する予定だ。なお、フレッツ・ミルエネ事業者向けプランの契約事業者にも、同機器およびリアルタイム遠隔家電操作機能を提供する。
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