「HIT」で最大規模のメガソーラーが北海道で開所:太陽光
パナソニック エコソリューションズ社の太陽電池モジュール「HIT」が、このほど開所したメガソーラー発電所「北海道厚真ソーラー2」(1.8メガワット)に採用された。
「北海道厚真ソーラー2」は、三井物産グループの機械専門商社である三井物産プラントシステムが北海道の南部に位置する厚真町に建設したもの。パナソニックはこのメガソーラーに対し、「HIT290A(VBHN290SJ27)」を6240枚納入した。これは、HIT採用のメガソーラー発電所では国内最大規模となるという(図1)。
採用されたHIT290Aは単結晶シリコンにアモルファス(非結晶)シリコン層を積層した独自のヘテロ接合型太陽電池でモジュール変換効率18.8%と高い変換効率を実現している。
温度特性にも優れ、夏場の高温時にも出力が低下しにくいため、年間を通じて多くの発電量が得られる。このようにHITは、面積(平方メートル当たり)デモシステム容量(kW当たり)でもトップクラスの発電量を誇る。厚真町のプロジェクトでは限られた設置面積でより多くの発電量が求められるため「HITの発電品質が評価された」(同社)としている。さらに、モジュール出力20年保証という高い製品品質も同製品が採用された理由のようだ(図2)。
パナソニックではHITを、住宅市場を中心に産業用途やメガソーラー用途など幅広い分野に向けて展開していく方針だ。2015年5月には国内工場への設備投資を決定したことを発表している(関連記事)。セルの生産拠点である島根工場とモジュールの生産拠点である滋賀工場の生産ラインをそれぞれ増強し、15年度末にはマレーシア工場と二色の浜工場(大阪府)と合わせてグローバルで1GW(ギガワット)を超える生産体制を構築する。
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