1週間の天気予報と連携する太陽光発電診断システム、週間情報を追加:太陽光
日本気象協会は太陽光発電診断システム「PV-DOG」にオプション機能として「週間予測発電量情報」と「週間天気予報情報」を追加し、サービスを開始した。
「PV-DOG」は日本気象協会が長年にわたりNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託業務などで開発した独自のノウハウを生かしたWebサービス。2012年6月から法人向けに提供を開始していた(図1)。「実績発電量」と、アメダスの観測値と独自の手法で推計した発電量である「期待発電量」を比較することで、太陽光発電システムが正常に稼働しているかの簡易診断を行う。月に1回、エンドユーザー、公共・産業用太陽光発電システムの保守管理者に実績発電量を入力するだけで、太陽光パネルの発電状況を診断する。発電量の異常時にはメールで通知するとともに、システム画面上に表示する。
具体的には毎月の実績発電量と期待発電量を比較して太陽光パネルの発電低下を早期に発見する。また、同協会が独自に提供する週間発電量予測情報を確認できる。センサーなどの特別な装置を新たに取り付ける必要はなく、パネルの種類やメーカーにかかわらず利用可能だ。さらに実績発電量の入力忘れがないようエンドユーザーにメールが届く。
このサービスを用いることで住宅用太陽光発電システムの保守管理者はより効率的な運用サポート情報をエンドユーザーに対して提供できる。公共・産業用太陽光発電システムの保守管理をする地方公共団体、不動産会社、またハウスメーカーなどの事業者は、日々の運用監視の補足情報としても活用が可能だ。
今回新しく追加した、週間予測発電情報と週間天気予報情報を利用すると、一日ごとに日中の天気予報と合わせて確認でき、デザイン背景はその日の天気予報に合わせて表示が切り替わる。画面デザインはサービス開始時に住宅用と公共・産業用のデザインを選択することも可能(図2)。
料金はスターターパック(診断件数1〜100件まで)が、初期費用5万円(税別)。月額費用基本料2万円(同)、オプション機能(予測情報)5千円(同)。ベーシックパック(101〜500件まで)が初期費用5万円(同)、月額費用基本料3万円(同)、オプション機能1万円(同)。9月30日までの期間、PV-DOGを新規で申し込むと予測情報を2カ月間無料で試すことができるお試しキャンペーンを実施している。
同協会の環境・エネルギー事業部では「太陽光」「風力」「海洋」などの再生可能エネルギー事業を展開している。今後も、同事業分野で気象ビッグデータをもとにさまざまな提案を行う方針だ。
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