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貯水池に9600万個のボール、ロサンゼルスで斬新な節水プロジェクト開始省エネ機器

米国ロサンゼルス市は、水不足に悩む現状を解決するために、黒いボール「Shade Ball」を使った斬新な節水プロジェクトを開始した。

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 ロサンゼルス市水道電力局は、水資源の蒸発を防ぎ水質の保持を図るために、大量の黒いボール「Shade Ball」で貯水池の表面を覆う、斬新なプロジェクトを開始した(図1)。

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図1 ロサンゼルス市が新たに始めた「Shade Ball」による水資源確保プロジェクト(クリックで拡大)出典:ロサンゼルス市

 同プロジェクトでは、ロサンゼルス市のシルマーにある約71ヘクタールの貯水池に9600万個の黒いプラスチックボール「Shade Ball」を浮かべるというもの。この小さな黒いプラスチックボールは、太陽光を起因とした化学反応や、鳥や他の野生動物が入りこむことを防止し、埃などが入り込むことを抑えるため、水質保持に役立つとしている。加えて、年間に3億ガロンとされる貯水池からの水の蒸発を抑え、これらの損失を防ぐことができる。同貯水池には約33億ガロンの水が蓄えられており、これはロサンゼルス市民全員が3週間飲む水の量と同等だという。

 Shade Ballは1個が0.36ドルで、メンテナンスなどが不要。そのため、これらによってもたらされる効果のコストは、他の手段を用いた場合に比べて2億5000万ドルも抑制できると試算されている。

 同プロジェクトの開始イベントに参加し2万個のボールを流し込んだ、ロサンゼルス市長のエリック・ガルセッティ(Eric Garcetti)氏は「カリフォルニア州の歴史的な干ばつの中で、水資源の確保は重要なテーマだ。今回の取り組みはそれに対し創造的な工夫で実現する1つの象徴だ」と述べている。

ガルセッティ市長自らShade Ballを流し込む様子 出典:ロサンゼルス市

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