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四国最大の風力発電設備が稼働、12基の風車で1万8000世帯分の電力:自然エネルギー
四国で最大規模となる風力発電所「南愛媛風力発電所」の全ての風車が運転を開始した。電源開発が手掛ける発電所で、12基の風車で年間約1万8000世帯分の資料電力に相当する6500万kWhの発電量を見込んでいる。
J-Power(以下、電源開発)が2012年9月から愛媛県宇和島市で建設を進めてきた「南愛媛風力発電所」が完成した。既に建設を終え稼働を開始していた9基の風車に加えて、2016年4月28日から新たに3基の風車が運転を開始した(図1)。
南愛媛風力発電所は宇和島市の南端にある観音岳を中心とした尾根沿いに位置する発電所。電源開発が100%出資する事業会社である日本クリーンエネルギー開発をじて建設を進めてきた(図2)。既に運転を開始していた9基の風車は三菱重工製で、今回の3基はドイツのエネルコン社製の風車を設置している。
12基の風車の合計出力は2万8500kW(キロワット)。年間の発電量は約6500万kWh(キロワット時)を見込んでいる。これは一般家庭約1万,000世帯分の年間消費電力量に相当する電力量だ。四国地域では最大規模の風力発電設備になるという。
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