ニュース
40%小型化した新型水素ディスペンサー、使い勝手も向上:蓄電・発電機器
水素ステーションで燃料電池車に水素を充填するのに欠かせない「水素ディスペンサー」。日立オートモティブシステムズメジャメントは従来より40%小型化した新型ディスペンサーを開発し、大阪市の水素ステーションに納入した。
サービスステーション事業や計装事業などを展開する日立オートモティブシステムズメジャメントは2016年5月30日、岩谷産業が大阪市城東区森之宮地区に開設した「イワタニ水素ステーション 大阪森之宮」に燃料電池自動車(FCV)用の新型水素ディスペンサー「NEORISE(ネオライズ)」を納入したと発表した(図1)。
新型水素ディスペンサーNEORISEは、小型熱交換器を内蔵することより、同社の従来製品比で約40%の小型化に成功したのが大きな特徴だ。水素ステーション内のレイアウト性向上に寄与する。ラウンドシャッターや表示部全面にガラスを装着するなどデザイン性も高めた。さらに、ディスペンサーの両側で充填(じゅうてん)を可能にするなど、使い勝手も向上させた。
日立オートモティブシステムズメジャメントは日立オートモーティブシステムズのグループ会社で、燃料油などの液体や各種ガス充填設備、危険物施設の建設などを取り扱っており、さまざまな燃料ディスペンサーの事業実績を持つ。水素ディスペンサーの開発には、圧縮天然ガス関連事業で培ってきた高圧ガス充填技術を活用した。今回のNEORISEの納入で、同社が水素ディスペンサーを納入した国内の水素ステーションは18カ所となった。同社では今後もNEORISEの拡販を図り、拡大が見込まれる水素ステーション需要の開拓を目指す方針だ。
関連記事
- 水素ステーションはどこまで普及したのか、今後を占う規制緩和と現在地
燃料電池車に注目が集まる一方で、遅れも指摘されている水素ステーションの整備状況は今どうなっているのか。「東京モーターショー2015」と同時開催の「SMART MOBILITY CITY 2015」に出展した水素ステーション普及団体である水素供給・利用技術研究組合(HySUT)のブースを取材した。 - 課題の水素ステーション、普及に貢献する関連技術が続々登場
「水素社会」実現に向けた取り組みが進んでいるが、その大きな課題となっているのが水素ステーションなどインフラの普及である。2016年3月2〜4日に開催された水素・燃料電池関連技術の展示会「FC EXPO 2016」では水素インフラ普及に貢献するさまざまな技術が披露された。 - 自社ビル内に小型水素ステーション、ホンダが都内初
ホンダは独自開発の小型水素ステーションを東京都内の青山本社ビルに設置した。同時に太陽光発電システムも導入し、燃料電池車に対してCO2フリーな水素を供給する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.