大規模メガソーラーこそパッケージで効率化、遠隔監視や制御システムも:太陽光
Wave Energyは、大規模太陽光発電システムに対応した受変電システムおよび、遠隔監視・制御システムなどのパッケージ製品を新たに開発し、販売を開始する。
太陽光発電所は、効率的に電力を得るために大規模化の傾向がある。一方で、FIT(固定価格買取制度)の買い取り価格低下や、最適設置場所の減少などもあり、建設した太陽光発電による電力をより効率的に活用しようという動きが加速している。
こうした背景から、Wave Energyは大規模太陽光発電システム向けの新製品群を発表。効率的な受変電設備一体型システムや、遠隔監視・制御システム一体型システムなど特別高圧向けのパッケージシステム群を新開発した。新製品は、大規模太陽光発電システムに対応した「SOLAR SPEC MEGA」、特高盤・高圧盤・パワコンの遠隔監視/制御システムに対応した「SOLAR WATCH」、分散型太陽光発電システムに対応した「SOLAR SPEC T」の3製品である。
「SOLAR SPEC MEGA」は、特別高圧受電変電設備一体型の太陽光発電システム。同社は既に高圧受変電設備一体型の中・大規模太陽光発電システムとして「SOLAR SPEC」を展開しているが新製品はこれをより大規模なシステムに対応させたものだ。敷地面積が大きいとケーブルサイズも太く長くなりがちで、伝送による損失も多くなり効率が低下する。これらを解消するために入力電圧を22kV(キロボルト)、6.6kVそれぞれに対応した製品を開発した(図1)。
「SOLAR WATCH」は、特高盤や高圧盤、パワーコンディショナー(パワコン)の遠隔監視/制御システム。例えば、電力系統の停電時など、連系解列した場合、発電所まで足を運び異常の有無を確認した後、再連系する必要があるが、遠隔地などにある場合、再連系を実施するまでに管理者には大きな手間が発生する。「SOLAR WATCH」を活用すれば、発電設備のあらゆる情報を取り込んでいるため、異常の有無を遠隔で確認できる。さらにPCS(パワーコンディショナー)の遠隔発停機能を備えているため、発電所に行くことなく早期復旧が可能となる。これにより売電損失を最小限に抑えられる(図2)。
「SOLAR SPEC T」は、分散型太陽光発電システムに対応したシステムである。小型分散型パワーコンディショナーに対応。集電ブレーカーにはプラグイン型を採用しているため、取付けや取外しが簡単な構造とした。また熱交換器の採用により盤内は密封構造とでき、塩害地域でも利用可能だという。250kW(キロワット)、500kW、800kWのラインアップを用意し、組み合わせにより、大規模な太陽光発電システムにも使用できる(図3)。
関連記事
- 太陽光の遠隔監視システム、小規模でもメガソーラーでも役立つ
太陽光発電システムの故障は分かりにくい。小規模であってもメガソーラーであっても遠隔監視システムが役立つ。Looopは初期費用とシステム利用料を比較的低く抑え、導入しやすいシステム「みえるーぷ」の新版を発表した。 - 薄さ60ミリの遠隔監視ユニット、屋根と太陽光パネルの間にも設置しやすく
構造物や工場のルーフトップ(屋根や屋上)に設置するタイプの太陽光発電システムの導入が拡大している。しかし屋根面に直接設置するルーフトップ型は、パネルの下にスペースが少なく遠隔監視システムの設置は工夫が求められる。そこで日立産業制御ソリューションズは狭小スペースにも設置しやすい薄型のパネル監視システムを開発した。 - 太陽光発電の遠隔監視、“見える化”と出力制御を一体に
2015年4月から一部電力会社の管轄内では太陽光発電設備を設置する際、パワーコンディショナーに遠隔制御機能の取り付けが義務化された。これを受けNTTスマイルエナジーは、同社の低圧向け太陽光発電設備の遠隔監視サービス「エコめがね」シリーズにおいて、出力制御に対応した新製品を発売する。 - 太陽光発電所の遠隔監視をクラウドで実現、廃校を生かした鳥取県の日南町
大規模な太陽光発電システムを導入した企業や自治体にとって、発電量や稼働状況の監視が大きな課題になっている。鳥取県の日南町は小学校の跡地に設置した340kWの太陽光発電システムを対象に、日本マイクロソフトのクラウドサービスによる遠隔監視を開始した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.