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実は多い“サビ”のトラブル、太陽光発電設備を守るには太陽光(2/3 ページ)

金属部品に起こりがちな「錆(サビ)」。太陽光発電設備においてはこのサビが部材の強度劣化や発電量低下、機器の故障などを引き起こします。サビは雨風だけではなく、使用金属同士の相性も関係しています。それを念頭に置くことで、早めの防サビ対策にも役立ちます。(本記事は「O&M Japan」からの転載記事です)。

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サビによる「強度劣化」と「屋根への広がり」

 では、サビが原因となって引き起こされる太陽光発電設備の不具合とはどのようなものでしょうか。1つ目は、「強度劣化への影響」です。サビが原因でさまざまな部分にゆがみや緩みが生じることがありますので、放置しておくと設備の劣化につながります(図2)。


図2 サビによってゆがみや緩みが生じることもある(クリックで拡大)

 2つ目にサビ自体が広がる現象への懸念があります。濡れた金属台の上に飲料缶などを置いておくと、接触部の丸がサビのようにして残る現象を見たことはないでしょうか。これは「もらいサビ」と言われる現象で、異なる金属が接していて、そこに水分が含まれたときに起こる腐食の1つです。放置することで腐食(サビ)広がってしまう恐れがあります。

 なお実際に、住宅の屋根に設置された太陽光モジュールの一部からサビが広がり、屋根自体の補修が必要になった事例もあります。このケースでは、モジュールを一度取り外して屋根補修や防サビ対策を行うことになり、非常に大掛かりな補修となってしまいました。

 ちなみに、太陽光モジュール施工における基本的なルールとして銅板葺(ふ)きの屋根にはモジュールを設置できないというものがあります。銅版葺きの屋根に設置すると電蝕が発生する可能性が高いため、原則的にメーカーからの保証が受けられない場合が多いのです。

 また、もらいサビ以外にも、腐食が雨水などによって流れて水下に設置されているモジュールのガラス面を汚してしまったり、屋根上で何か金属を加工した際に鉄粉が飛び散り、掃除が不十分だったため、屋根材上で点々と広範囲でサビびてしまった事例もあります。

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