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巨大な洋上風力発電所の開発が日本海で始まる、47万世帯分の電力に (1/2)

秋田県の日本海沿岸の沖合に国内最大の洋上風力発電所を建設するプロジェクトが動き出した。発電能力は560MWに達して、秋田県内の総世帯数を上回る47万世帯分の電力を供給できる。南北30キロメートルに及ぶ遠浅の海域で2021年度に着工、2026年度に運転を開始する予定だ。

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 驚くほど規模の大きい洋上風力発電所の開発プロジェクトが明らかになった。全国に太陽光発電所を展開するレノバが、風力発電事業者のエコ・パワー、JR東日本(東日本旅客鉄道)グループと共同で計画を推進する。対象の海域は秋田県の南部に広がる由利本庄市(ゆりほんじょうし)の沖合で、長さ30キロメートルにわたって洋上風力発電所を建設する壮大な構想だ(図1)。


図1 由利本荘市の沖合で計画中の洋上風力発電事業の候補海域。出典:レノバ

 3社は洋上風力発電所の建設に向けて各種の調査を開始するため、3月3日に地元の秋田県と由利本庄市に協力を要請した。風況調査や環境影響評価を2020年度まで実施した後に、2021年度から建設工事に入る方針だ。工事期間を5年程度と見込んで、2026年度に運転開始を予定している。

 発電能力は最大で560MW(メガワット)の想定だ。国内で開発中の洋上風力発電では新潟県の村上市の沖合で進んでいる220MWのプロジェクトが最も大きく、それを2倍以上も上回る。風力発電機は現在のところ1基あたり5〜7MWが最大であることを考えると、全体で100基以上の風車を洋上に設置する可能性がある。

 年間の発電量は17億kWh(キロワット時)に達する見通しで、一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して47万5000世帯分に匹敵する。秋田県の総世帯数(39万世帯)を超える電力を供給できる。固定価格買取制度で全量を売電すると、現時点の買取価格(36円、税抜き)を適用した場合の年間収入は600億円を突破する。買取期間の20年間の累計では1兆2000億円にのぼる。

 秋田県の日本海側は風況が良く、すでに150基以上の風車が沿岸部で稼働している。由利本庄市を中心に南部の沿岸部でも年間を通じて強い風が吹きつける。沖合では平均風速が6.5メートル/秒を超えて、洋上風力発電に適した海域が広がっている(図2)。


図2 秋田県の年間平均風速(風力発電に適した5.5メートル/秒以上の場所だけ色づけ)。単位:メートル/秒。出典:環境省

 3社が推進する計画では由利本庄市の南北30キロメートルに及ぶ海岸線に沿って、漁港から一定の距離を置いた海域に大型風車を設置する。対象の海域は水深が10〜30メートル程度の遠浅で、風力発電設備を海底に固定する着床式で建設できる見通しだ。今後の計画の進展とともに、環境影響評価の状況や地元の漁業関係者などとの調整が注目される。日本の洋上風力発電を拡大させる試金石になる。

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