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パネルの下で大豆や麦を有機栽培、千葉県でソーラーシェアリング:太陽光
千葉県で太陽光発電と農業を共存させるソーラーシェアリング事業がスタートした。出力1MWの発電所の下に広がる農地で、大豆や麦など付加価値の高い農産物の有機栽培を行う。
千葉県北東部の匝瑳市(そうさし)で、太陽光発電と農業を同時に行うソーラーシェアリングが始まった。SBIホールディングスの子会社で、再生可能エネルギー事業を行うSBIエナジーと地元企業などが共同運営する「匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所」の商用運転が、2017年3月27日からスタートした。
発電所は約3.2ha(ヘクタール)の耕作放棄地を活用して建設した。最大出力1MW(メガワット)のメガソーラーで、年間発電量は約1424MWh(メガワット時)を見込んでいる。一般家庭約288世帯分の年間電力量に相当する発電量だ。発電した電力は「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」を利用して東京電力に売電する。こうした収益の一部は地域の環境保全や農業振興などに還元する計画だ。
太陽光パネルの下部に広がる農地では、地元の農業生産法人が大豆や麦など付加価値の高い農産物の有機栽培を予定している。日射が農地に届くよう、短冊状の太陽光パネルを採用している。
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