需要家との接点を強化しやすく、電気事業者向けクラウドに新機能:電力供給サービス
NTTデータは電力事業者向けクラウドサービス「ECONO-CREA」のメニューに、マーケティング機能を追加した。電力およびガス自由化がスタートし、重要さを増す需要家接点の強化や業務効率化を支援する。
NTTデータは電力事業者向けクラウドサービス「ECONO-CREA」のメニューに、マーケティング機能「ECONO-CREAマーケティング(ポータル/CMS)」と「ECONO-CREAマーケティング(BI/DWH)」を追加し、2017年5月11日から提供を開始した。
NTTデータでは、2016年4月の電力小売全面自由化にあわせて開発した電力事業者向けクラウドサービス「ECONO-CREA」を通して、管理サービスや需給管理サービスを提供。現在ECONO-CREAは10社を超える新電力事業者に導入実績があるという。
今回追加したECONO-CREAマーケティング(ポータル/CMS)は、利便性に優れたポータルサイトを容易に構築・管理できるサービスである。事業者のビジネス環境に迅速に対応できるよう拡張性と柔軟性のあるコンテンツとデザインの管理が可能としている。第1弾として電力使用量と電気料金の見える化、請求書のダウンロード/アップロード、供給地点ごとの閾値超過通知機能などを提供する。
ECONO-CREAマーケティング(BI/DWH)は、顧客管理システム「ECONO-CREA CIS」で管理している顧客および電力使用量などの情報を蓄積するDWHと、分析を行うBIツールを一括で提供する。BIツールは「Tableau(タブロー)」を提供する。さらに電気事業者が電力ガス取引等監視委員会や資源エネルギー庁に提出する定期報告レポートや、経営に活用するための電力使用量の定型レポートも提供し、業務の効率化を支援する。
今後は需給管理分野の分析機能も追加する方針だという。具体的には再生可能エネルギー発電予測や市場価格予測のサービスを追加し、小売電気事業者の収益拡大も支援するとした。NTTデータは電力小売自由化向けサービス全体で、2017年より5年間で累計100億円の売り上げを目指す方針だ。
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