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化学工場にバイオマスボイラーを導入、木質チップでCO2削減:自然エネルギー
化学工業メーカーのDICは、石川県白山市の自社工場にバイオマスボイラーを導入する。天然ガスボイラーを、木質チップ利用のバイオマスボイラーに置き換えることで、CO2排出量の削減を図る狙いだ。
化学工業メーカーのDIC(旧大日本インキ化学工業)は、合成樹脂を生産する北陸工場(石川県白山市)に木質チップを燃料とするバイオマスボイラー1基を新規導入し、液化天然ガスボイラーの一部を切り替えていくことに決定した。CO2排出量削減への取り組みの一環で、同設備は2018年1月からの稼働を予定している。
北陸工場では、これまでにも工場内で使用する燃料を重油から天然ガスに全て置換することなどの取り組みにより、絶対量でCO2排出量を約10%削減してきた。今回のバイオマスボイラーの導入で、さらに約12%削減する計画だ。
同社グループでは2016年度から、「温室効果ガスの排出量(絶対量)を毎年1%削減し、2020年までに2013年を基準に7%削減」とする中期目標を独自に設定しているが、バイオマスボイラーの導入はグループ全体で評価すると、2013年比で0.3%の削減に寄与することになる。
印刷インキの製造と販売で創業したDICは、その基礎素材である有機顔料と合成樹脂をベースとして事業範囲を広げるなど、業績拡大に取り組んできた。並行して、サステナビリティ活動も積極的に実施しており、バイオマスエネルギー、風力発電、太陽光発電、コージェネレーションシステム(熱と電力の併給設備)などの導入を行い、工場・研究所・オフィスなどから排出するCO2の削減を推進している。
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