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線路沿いに日本最長10km、新幹線の旧建設地にメガソーラー:太陽光
日本で最も長い全長10kmのメガソーラーが千葉県に完成した。新幹線の旧建設用地を活用したもので、出力は12.8MW(メガワット)、年間発電量は4600世帯分に相当する1万2700MWhを見込んでいる。
東芝インフラシステムズが、設計、調達、建設を担当した「SGET千葉ニュータウンメガソーラー発電所」がこのほど完成した。同発電所は2016年2月にSGET千葉ニュータウンメガソーラーから受注したもので、全長約10kmと同社によると日本最長のメガソーラーだという。
北総鉄道成田スカイアクセス沿線用地(旧新幹線用地)を活用し、千葉県白井市から印西市にかけて建設された。敷地面積は約15万平方メートル。太陽光発電出力は12.8MW(メガワット)で、太陽光パネル枚数4万7454枚を設置した。想定年間発電量は、一般家庭約4600世帯分の年間使用電力量に相当する約1万2700MWh(メガワット時)を見込む。東芝インフラシステムズはEPC契約者として、発電所の設計、調達、建設および今後20年間の運用・保守業務を受注している。
同発電所の建設にあたっては、線路沿いに隣接する(北総鉄道千葉ニュータウン中央駅から印旛日本医大駅までの計3駅にまたがる)ため、電車走行時の作業が制限される他、クレーン作業などの大型工事作業の実施に制約があった。そこで、これまでメガソーラー発電所の建設で培ってきたノウハウを活用し、作業工程の最適化や関係各社との調整により工程管理を徹底。ケーブルや電線の長距離化に伴う発電効率の低下を防ぐため、太陽光パネルの効率的な配置などによる全体設計の最適化を図ることで発電効率の確保も実現している。
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