熱電供給システムの導入、2016年度は26万kWの増加:省エネ機器
コージェネ財団は2016年度のコージェネレーションシステムの導入実績をまとめた。設置容量は26万kW(キロワット)、設置台数は707台で、累計設置台数は1万7134台となっている。
コージェネレーション・エネルギー高度利用センター(以下、コージェネ財団)は、このほど会員企業全社を対象とした調査を基に、2016年度のコージェネレーション導入実績をまとめた。
2016年度の民生用・産業用のコージェネレーション(全燃料、家庭用を除く)の新設の導入状況をみると、設置容量は26万kW(キロワット)、設置台数は707台に達した。2015年度実績は24.1kW、833台である。分野別でみると民生用(家庭用除く)が6.2万kW、593台、産業用が19.8万kW、114台となっている。
2016年度末時点での累計設置容量(撤去・削減分を差し引いた値)は1050万kWとなり、2015年度末に比べて21万kW増加している。用途別は民生用(家庭用除く)が217.9万kW、産業用は832.1万kW。
累計設置台数は、1万7134台(民生用1万2516台、産業用4618台)となり、2015年度末に比べて603台増加した。燃料別でみると天然ガスが最も多く1万1444台、590.3万kW。続いて石油、LPG、オフガス・その他となっている。原動機別ではガスエンジンの構成比が高く1万1762台、306万kWで、以下にガスタービン、ディーゼルエルエンジンが続く。
国内で「コージェネ」あるいは「熱電併給」と呼ばれるコージェネレーションシステムは、熱源より電力と熱を生産し供給するシステムの総称。コージェネには内燃機関(エンジン、タービン)や燃料電池で発電を行ってその際に発生する熱を活用する方法、蒸気ボイラーと蒸気タービンで発電を行って蒸気の一部を熱として活用する方法がある。
国内では主に内燃機関による方法が用いられ、一部熱供給を伴う大型発電所や木質系バイオマスのコージェネにおいてボイラー・タービン方式も見受けられる。欧米では、後者が主流であるが、徐々に天然ガス・コンバインドサイクルにリプレースされつつあるという。
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