新型「リーフ」は航続距離が400kmに、自動運転技術も搭載:電気自動車
日産は全面改良した電気自動車「リーフ」の新モデルを発表。リチウムイオン電池の容量を増し、航続距離は初代の約2倍となる400kmを確保した。
日産自動車(以下、日産)は5人乗りの電気自動車(EV)「リーフ」をフルモデルチェンジした。価格は315万360円〜399万600円(税込)で、国内での販売は2017年10月2日からを予定している。
新型リーフの大きな特徴が航続距離だ。リチウムイオンバッテリーを、先代リーフに搭載していたものと大きさは同じとしつつ、容量を40kWhに増やしている。これによりJC08モードの航続距離は400kmを達成。2010年に発表した初代リーフの航続距離200kmから、約2倍に広がった。
バッテリー容量が増大したが、急速充電による80%までの充電完了時間は40分となっている。一方3kWの普通充電時の充電時間は16時間、6kWでは8時間だ。6kWで充電を行えば、一晩でフル充電できる。
走行性能も大幅に向上している。モーターの最高出力は先代モデルの80kwから110kWに、最大トルクも254Nmから320Nmにアップ。加速性能も高めており、初代リーフ比較して0〜100km/hの発進加速時間は15%、60〜100km/hの中間加速時間は30%短縮している。最高速度は140km/hだ。
この他、日産のさまざまな先進技術も搭載している。目玉の1つが自動運転技術「ProPILOT(プロパイロット)」だ。既に「セレナ」などの車両に搭載している技術で、主に高速道路で車間を最適に保つようにアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動制御してくれる。さらに、「国産車では初」をうたう、自動駐車機能「プロパイロット パーキング」も搭載した。この他、アクセルペダルの操作だけで発進、加速、減速、停止までをコントロールできる「e-Pedal」も搭載している。
日産は2018年に、出力をさらに高めたモーターを搭載し、航続距離も延長させたハイパフォーマンスモデルを追加する予定だ。
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