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AIでデジタル発電所を構築、火力発電の運用を高度化:エネルギー管理
関西電力と三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、AI技術活用した火力発電所の運用高度化サービスの開発に着手する。AI技術でバーチャルなデジタル発電所を構築し、事前に運転条件の変更による影響などを検証できるようにする。
関西電力と三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、このほどAI(人工知能)を活用した国内外の火力発電所向け運用高度化サービスの共同開発について、基本合意書を締結したと発表した。
開発するサービスは、関西電力が持つ火力発電に関する発電所の運転および維持管理業務のノウハウや、大量の運転データと、MHPSが持つ設計、製造、建設のノウハウを融合。さらに、最先端のAI技術を活用することで、次世代の火力運用サービスの開発・展開を目指す。
具体的には、サービス対象となる実際の発電所の運転データとディープラーニング(深層学習)などのAI技術を用いて、PC上にデジタル・ツイン(実際の存在する機器をそのままデジタル上に再現する、仮想発電所)を構築する。その上で、燃料などの運転条件を変更した際の影響をデジタル・ツイン上で検証し、その検証結果を実際の発電所に適用することで、ボイラー燃焼調整などの最適運用につなげる。
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