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シャープが産業向け蓄電システム、電力需要を抑えて基本料金を削減:蓄電・発電機器
シャープは工場やオフィスなどの産業施設向けの蓄電池システムを開発する。電力の使用状況に合わせて充放電制御を行い、ピークカットを行うことで最大需要を削減することで、基本料金を削減できるという。
シャープは、電力の使用状況に合わせて充放電制御を行い、エネルギーの利用効率を高めて電気料金の削減に寄与する産業施設向け「スマート蓄電池システム」を、2017年11月6日から発売する。パワーコンディショナー、蓄電池、産業用、電力量計測盤などから構成されており、太陽光発電システムとの組み合わせによって、電力コストの削減が可能になるという。
工場やオフィスビル、店舗などの施設向けの高圧受電契約では、30分毎の使用電力量を計測し、過去1年間で最も大きな使用電力量(最大デマンド)を基準に基本料金が設定される。最大デマンドが上ると、基本料金も上がることになる。スマート蓄電システムは、電気の使用状況をモニタリングし、消費電力が上昇したタイミングで、蓄電池から放電する。このように電気購入量を削減し、最大デマンドを低減する「ピークカット」を行うことで、基本料金の削減に貢献する。
蓄電池は、消費電力が小さい時には放電量を少なく、消費電力が大きい時には放電量を多くするなど、電力の使用状況に合わせて放電量をきめ細かく制御する。放電量が固定されているタイプの蓄電池システムに比べ、同じ量の電力を放電する場合でも、より効果的に最大デマンドを低減できる。放電しても最大デマンドの低減に寄与しない場合は、放電を抑制する。太陽電池システムと蓄電池システムは直流接続が可能で、発電した電力を変換ロスなく蓄電できるのも特徴だ。
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