沖縄最大の木質バイオマス発電所が2021年稼働へ、11万世帯分を発電:自然エネルギー
沖縄県うるま市に、県内最大級となる出力4万9000kWの木質専焼バイオマス発電所の建設が決定。2021年7月末の営業運転開始を予定している。
九電みらいエナジー、トーヨーカネツ、沖縄ガス、九電工、東京ガスエンジニアリングソリューションズおよび沖縄県内地元企業などは、特定規模電気事業者のイーレックス(東京都中央区)が2018年7月に設立した「沖縄うるまニューエナジー」に出資参画し、今後11社共同で沖縄県うるま市での木質バイオマス発電事業に着手すると発表した。発電所名は「中城バイオマス発電所」で、2019年6月に着工し、2021年7月末の営業運転開始を目指す。
建設する「中城バイオマス発電所」は、木質バイオマス専焼で、出力は4万9000kW(キロワット)。木質バイオマス専焼の発電所として沖縄県最大となるという。燃料使用量はパームヤシ殻(PKS)、木質ペレットなど年間約20〜25万トンの予定。年間発電量は一般家庭約11万世帯分の年間消費電力に相当する約35万MWh(メガワット時)を見込む。CO2削減効果は年間約27万200トンを見込んでいる。
事業では、イーレックス、九電みらいエナジー、東京ガスエンジニアリングソリューションズおよびトーヨーカネツが発電所運営を行い、九電工は発電所の電気設備工事を担当するなど、各社の強みを生かした事業運営を実施する。また、沖縄ガスをはじめとする、沖縄県内地元企業などによる同事業への出資参画により、地域社会との協調を強固なものとする考えだ。
なお、出資比率はイーレックス(44.8%)、九電みらいエナジー(20.0%)、トーヨーカネツ(10.0%)、沖縄ガス(6.8%)、九電工(4.5%)、東京ガスエンジニアリングソリューションズ(2.7%)、地元企業など5社(11.2%)となっている。
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