エンドユーザーエクスペリエンスモニタリングツールにはさまざまな選択肢があるが、分かりづらく、把握しにくいものが多い。本稿では、IT担当者が知っておくべき9種のツールを紹介する。
多くのベンダーが「エンドユーザーエクスペリエンスモニタリング」ツールを提供するようになった。エンドユーザーエクスペリエンスモニタリングツールは、エンドユーザーの視点から物理/仮想デスクトップのパフォーマンスを測定する。ただしベンダーがどのようなツールを提供し、そのツールがどのような場面に適しているかを完全に理解するのは難しい。
エンドユーザーエクスペリエンスモニタリングツールが含む、固有の機能を詳しく知るのは困難だ。製品の情報は分かりづらく、補足となる情報も不足しており、実際の製品名さえ明らかではないツールもある。
本稿では、9種の主要なエンドユーザーエクスペリエンスモニタリングツールを調査した。そのそれぞれについて、ベンダーが提供する機能や特徴を明らかにしていく。
Cisco Systems傘下のAppDynamicsが提供する同名制品は、Webベースのアプリケーションパフォーマンス管理(APM)機能を提供する。モバイルデバイス向けを含むアプリケーションのパフォーマンスと安定性を測定して、パフォーマンスの問題を特定・解決する。AppDynamicsのパッケージが含むエンドユーザーエクスペリエンスモニタリング機能は、エラー、クラッシュ、ネットワークリクエストなどのメトリクス(評価指標)に関するデータを収集して、優れたユーザーエクスペリエンスを生み出せるようにする。
AppDynamicsには、アプリケーションのトランザクション(エンドユーザーが実行した一連の処理)に関するデータを収集する、以下の3つのモジュールがある。
この3つのモジュールがAppDynamicsの他の機能と連携して、総合的なアプリケーションモニタリング機能を提供する。
Smart-X Software Solutionsの「ControlUp Real-time」は、仮想デスクトップと物理デスクトップをリアルタイムにモニタリングして、パフォーマンスのボトルネックを特定し、トラブルシューティングをする。エンドユーザーやアプリケーションだけでなく、サーバとデスクトップもモニタリングする。
Real-timeにもエンドユーザーエクスペリエンスに関するデータを収集する機能がある。この機能は、エンドユーザーのログオン中の総時間を測定し、この総時間をプロファイル、デスクトップ、グループポリシーの読み込み時間などのサブセクションに分割する。アプリケーションの読み込み時間も追跡可能だ。IT部門はこうした情報を利用して、読み込み時間のモニタリングやベンチマークを実行できる。経過時間を表すさまざまなメトリクスを比較して、パフォーマンスの既存の問題や今後問題になる可能性がある問題を明らかにできる。
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