クラウドサービスのセキュリティ対策を効率化する「CASB」(Cloud Access Security Broker)には、どのような機能があるのか。選定の前に知っておきたい主要機能を紹介する。
第2回「いまさら聞けない、『CASB』と『URLフィルタリング』は何が違うのか?」では、既存セキュリティ技術との違いから、「CASB」(Cloud Access Security Broker)とは何かをお話しました。第3回となる今回は、実際にCASBが持つ機能について、それぞれの目的や特徴を整理した上で、導入に当たって考慮すべき課題をお話しします。
CASBは、もともと調査会社Gartnerが提唱し始めた言葉です。大半のCASB製品は中核要素として、同社が定義するCASBの4機能を備えています。
これら4つの機能について、具体的に紹介します。
CASBにおける可視化は、単に従業員が利用している「シャドーIT」(会社が許可しておらず、従業員が個別に利用しているクラウドサービス)や「サンクションIT」(会社から利用を許可されているクラウドサービス)を一覧表示するだけではありません。シャドーITおよびサンクションITの利用状況やデータフローを可視化し、ユーザー企業の管理者がリスクを把握できるようにします。
具体的には、以下のような項目を可視化します。
これらを知ることは、リスク管理の観点から重要です。CASBによってエンドユーザーやデータの観点も含めてクラウドサービスの利用状況を可視化することで、従業員が適切にクラウドサービスを利用できているのかどうかを評価、分析しやすくなります。
脅威からの防御に役立つCASBの機能は、大きく分けて2種類あります。1つ目は内部不正、すなわち一般/管理ユーザーの不審な挙動やデータ流出の検知/防御機能。2つ目はマルウェア感染ファイルの検知/対策機能です。
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