勝負に出たApple 「Business Chat」がB2C市場を席巻する?Apple Payとの連携で顧客体験も向上

Appleは、メッセージングサービス「Business Chat」のβ版プログラムで大企業と提携し、ビジネス市場でFacebookやGoogleに対抗する。

2018年04月20日 05時00分 公開
[Jonathan DameTechTarget]

関連キーワード

Apple | Slack | モバイルファースト


画像 進化するメッセージング市場

 Appleが提供する「Business Chat」は、同社が選んだ9社で既にβ版の運用が始まっている。iPhoneの標準アプリ「iMessage」を使って顧客からの問い合わせに対応したり、セールス活動に利用したりしているという。さらにその中の2社は、企業と消費者の間で使うB2C(企業と消費者)のテキストメッセージング機能は今後、代表的な顧客対応サービスになると考えている。

 Appleは2018年3月29日の「iOS 11.3」アップデートでBusiness Chatのβ版をリリースした。これを使えば、iPhoneやiPadのユーザーは、個人間のやりとりに利用しているiMessageアプリで顧客サービス担当者と対話できる。顧客の識別情報は本人の意志によって共有されない限り、企業には開示されない。iMessageアプリで会話スレッドを保存しておけば後でいつでも読み返すことができる。

 住宅用品を扱うThe Home Depotのマット・ジョーンズ氏(ストラテジーとモバイルアプリ担当シニアディレクター)は次のように話す。

 「端末の利用方法についてパラダイムシフト(価値観の改革)が今まさに起こっている。ほとんどの人がテキストでのメッセージングを利用しており、AppleのBusiness Chatなら、家族や友人とメッセージをやりとりするのと同じ方法で企業とやりとりできる」(同氏)

 The Home Depotでは近年、コンタクトセンターの果たす役割が大きくなっている。顧客サービス担当者は、ネット通販の注文状況や配送に関する問い合わせに対応するだけでなく、セールスや小売りに関わる業務にも従事するようになってきた。Business Chatを使い始めたころの問い合わせは、営業時間や在庫の確認がほとんどだったという。

ITmedia マーケティング新着記事

news060.jpg

Z世代が考える「日本が最も力を入れて取り組むべき課題」1位は「ジェンダー平等」――SHIBUYA109 lab.調査
SDGsで挙げられている17の目標のうち、Z世代が考える「日本が最も力を入れて取り組むべき...

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...