USBメモリでアプリケーションを持ち歩く:Geek to Live
USBメモリまたはiPodでアプリケーションやファイルを持ち歩く際のコツと注意点を解説する。(Lifehacker)
【この記事は、2006年6月7日付で米ブログメディア「Lifehacker」に掲載された記事を翻訳したものです。】
初めて手に入れたコンピュータのハードディスクが1Gバイトだったことを思い出すと(当時は「これでもう容量不足とは無縁」と思った)笑うしかない。今では、キーホルダーにぶらさげるUSBメモリに8Gバイト版があり、みんなが持ち歩くiPodもギガバイト級だ。
この1年かそこらで、ポータブルアプリケーションやUSBメモリ/外部ディスクの創造的な利用が進んだ。そこで今回は、ポータブルディスクを使ってデータを持ち運ぶ際の、実用的なデータの利用法と管理テクニックを紹介しよう。
まず、お気に入りのアプリケーションや重要なドキュメントをUSBメモリ(またはiPod)で持ち歩く例として、想定できるケースを幾つか挙げてみよう。
- 複数のコンピュータ(オフィスと家、ノートPCとデスクトップPCなど)から同じ一連のファイルに簡単にアクセスしたい場合
- 勤務先のIT部門から、会社のマシンに自分の好みのソフトをインストールするのを禁止されている場合(この記事も参照)
- 休暇中、旅先にまでノートPCを持っていきたくないが、万一会社で緊急事態が発生したらインターネットカフェで自分のファイルにアクセスしたい場合
- 家のファイルを会社に、会社のファイルを家にというように、自分のファイルをバックアップとして別の場所に保管しておきたい場合(貸金庫にUSBメモリを1個か2個預けるか、アイダホに住むエドナ叔母さんに数カ月ごと郵送するという手もあるだろうが……)
- お気に入りのアプリケーションを自分が使うすべてのコンピュータにいちいちダウンロード/インストールするのが嫌な場合
- 親戚が使うマシンにウイルススキャンソフトやスパイウェア除去ツールをダウンロードしてやりたいが、その親戚が使うWebブラウザは既にハイジャックされたものだから使いたくない、そこで自分のUSBメモリにコンピュータ修復用ツールを入れておきたい、という場合
- 人気テレビドラマ「ザ・ソプラノズ」の最終回を飛行機の中で観たい、あるいは友人宅のパーティーでDJに自分が作ったデジタルミュージックミックスを渡したい、という場合(DVD、CD、ビデオテープよりUSBメモリのほうが持ち運びが簡単で耐久性にも優れる)
ポータブルソフトアプリケーション
筆者のお気に入りのアプリケーションを幾つか紹介する。いずれも自力動作のスタンドアロン型アプリケーションで、実行のためにOSに何か変更を加える必要がないものだ。
Webブラウザ:Portable Firefox、インストール時7.55Mバイト。ブックマーク、エクステンションなどすべてのFirefoxプロファイル情報を含む
オフィススイート:Portable OpenOffice.org、インストール時90.6Mバイト。表計算ソフト、ワープロソフト、プレゼンテーションソフト
電子メール:Portable Thunderbird、インストール時21.7Mバイト。電子メール、アドレス帳、メールフィルター
インスタントメッセンジャー:Trillian Anywhwere、インストール時最大34Mバイト(Trillianのプロファイルに応じる)。AIM、Yahoo! Messenger、MSN Messenger、ICQ、IRC互換のマルチプロトコルインスタントメッセージングクライアント
ウイルススキャン:Portable ClamWin、インストール時最大15Mバイト(定義ファイル込み)。オープンソースのWindows用ウイルススキャンソフト
リモートログイン:TightVNC(「Viewer executable」のみ)、インストール時159Kバイト──TightVNCビューワで自分のリモートVNCサーバにログインする。TightVNCビューワを使い、どこにいても自宅のコンピュータをコントロールできるようにする方法はこちら
ジョン・ホーラー運営のポータブルアプリケーションサイトは素晴らしく、ほかにも、Webブラウザ、メールクライアント、Webエディタ、オフィススイート、ワープロ、カレンダー/スケジューラー、インスタントメッセージクライアント、FTPクライアント込みでわずか117Mバイト(Lite版なら44Mバイト)のPortable Apps Suiteを提供している。
また、筆者の同僚のアダムは以前の記事で、iPodからCDリッピング/音楽再生ソフトを実行し、iTunesを立ち上げずにiPodで音楽を聴くことができるようにする方法を紹介している(iPodをハードディスクとして使うには、iTunesの「設定」で「iPod」タブを選び「ディスクとして使用する」のチェックを外す)。
ポータブルデータ
ディスクに入れておくデータの種類は(容量の上限さえクリアできれば)何でもありだ。幾つか例を挙げてみる。
- 自分のToDoリストをテキスト化したデータ(プレーンテキストでToDoリストを作る方法はこちら)
- アドレス帳やパスワード(後述するが、暗号化するのを忘れずに!)
- マルチメディアデータ、オフィスドキュメント、Webサイトのブックマーク
万一ディスクを落とした場合、拾った人に自分の連絡先を伝える「拾った方は.txt」または「謝礼します.txt」(これは暗号化しないこと!)
ポータブルドライブのセキュリティ
フラッシュドライブは、小さくて便利だが、それは、紛失、ダメージ、窃盗、持ち運びも容易に起きることを意味している。白いヘッドフォンを付けて無邪気に歩いている人は、強盗にとっては格好の餌食。そこで、USBメモリやiPod上のデータにセキュア処理を施し、強盗や、そこまで悪気はなくても「拾った物は自分の物」と考える人に、恥ずかしい上半身裸のWebカメラショットとかを観られないようにするための戦略を紹介する。
機密性の高いテキストファイルにはロックをかける
以前紹介したWindows用ソフトのLockNoteを使い、パスワードや住所など個人情報が入ったテキストファイルは暗号化しよう。LockNote.exeは暗号化ノート1つにつき約296Kバイト。
zipファイルにしてパスワードをかける
全ファイルをまとめて1つのパスワード付きzipファイルにしよう。フリーのWindows用ソフト7-Zipを使ってUSBメモリに保存したいファイルを新規のzipアーカイブにまとめ、開くときのパスワードを設定する。
注:7-ZipがなくてもWindowsで解凍できるようにするため、「Archive Format」を「7z」から「zip」に変更するのを忘れずに。パスワード付きzipファイルに収めたフォルダとファイルの名称は、パスワードを入力しなくても閲覧できるが、パスワードなしでアーカイブの解凍はできない。
データまたはドライブを丸ごと暗号化する
より強力なパスワード暗号化メカニズムを用いて一連のファイルまたは1つのサムドライブを丸ごと暗号化する方法についてはこちらの記事を参考に。
iPodで暗号化/差分バックアップ
先日紹介したフリーのMac専用ソフトiPodBackupを使えば、ホームディレクトリの(音楽以外の)全Macドキュメントを暗号化し、1つのディスクイメージとしてiPodに保存できる。
最後に、オフィスと外でUSBメモリを行き来させることが多い人のために、マシンをシャットダウンするとき、サムドライブを抜くのを忘れないようアラートを出すVBスクリプトもある。
本稿筆者ジーナ・トラパーニはLifehackerのエディター。1GバイトのSanDisk Cruzerを愛用。Lifehacker上で毎週水曜と金曜にGeek to Liveコラム(RSS)を連載中。
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この記事は、Lifehackerの発行元である米Gawker Mediaの許可を得て、アイティメディア株式会社が翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。