“売る”ためのコミュニケーション──お客様の3つの感覚モード(3):コミュニケーションをワンランクアップ!(3/3 ページ)
信頼関係を築く方法として、今回は「3つの感覚モードの一致」を取り上げる。接客時のセールストークなどにおける、具体的な活用方法も紹介します。
お客さんの立場に立ってニーズを引き出す
接客する際、売り込もうとするのではなく、相手が本当に何に困っていて、どんなニーズがあるか、一人一人違うお客さんの立場に立って、ニーズやウォンツを、好奇心を持って聞き出してください。くれぐれも相手が言った言葉をそのまま鵜呑みにしないように。できるだけ具体的なエピソードに落として聞きだしながら、提案できるものを考えていきましょう。そして、一人目のお客さんと二人目のお客さんは、全く違うと思ってください。前の人がアレで喜んだから、次の客もコレに違いないとは思わずに、一人一人のお客さんに、真っ白な気持ちで接してください。相手のニーズやウォンツを相手の立場に立って聞き出せて提供できたら、売り込むことなく商品は売れます。
お客さんが「もうちょっとサービスよくしてよ」というとき、お客さんの視点に立たないと、何がサービスなのかわかりません。お客さんにとってのサービスは、単価を安くすることなのか、納期を早くすることなのか、おまけをつけることなのか。分からないままやっても相手が満足するサービスとはなりません。相手にとって何がサービスか、というのは、信頼関係を築いて探る必要があります。
感覚傾向の見分け方
自分がどの感覚傾向なのかを知る方法を紹介します。自分が視覚・聴覚・体感覚のどの傾向なのかを知ると、「相手が自分と違うかもしれないから、気をつけよう」という意識で相手と接することができます。
内容は何でもいいので、一番楽しかった場面を思い出してください。旅行でもいいし、デートでもいいし、仕事でもいいです。最高に充実した一場面を思い出してください。
次に、そこから目に見える情報を取り去ってください。つまり目隠しした状態です。ただし、音は聞こえるし空気や雰囲気はわかります。ただ目は全く見えない状態です。
さあ、そうすると、最初の充実度が10だとして、何点くらい下がりますか?
では、今度は、目に見える情報と肌の感覚はあるとします。ただ音が聞こえません。耳栓をしたような感じです。何点くらい下がるでしょうか?
最後に、見える情報、聞こえる音はありますが、肌の感触がない状態です。まるで防弾ガラス越しにいるような感覚、もしくは、ウエットスースを着て、空気と遮断されて膜があるような感じだと思ってください。この状態で、最初の充実度10から、何点くらい下がるでしょうか?
この思考実験で、一番充実度が下がるものが、その人の感覚傾向ということになります。目に見える情報がない場合に、最も点数が下がるならその人は視覚傾向が強い人ということです。
ただ、これをお客さんに質問することはできません。お客さんの傾向を知りたい場合は、会話の中で、どの情報が多いかを注意して、当たりを付けていくほうがいいですね。
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