前倒し仕事術(1)【問題編】:シゴトハック研究所
仕事に追われる立場から、仕事を追いかける立場になってみませんか? 不定型で突発的な仕事を、どうやって“前倒しすればいいのか”、いっしょに考えてみましょう。
ヒロシ主任 よーし、営業資料、だいぶ目鼻立ちがついてきたぞ。この調子なら明日は残業しなくて済みそうだな。
マサヨシ課長 お、なんか明るい顔をしている人を発見!
ヒロシ主任 あ、課長。おつかれさまです。
マサヨシ課長 なんか顔に自信がみなぎっているぞ。
ヒロシ主任 そうなんですよ。毎週金曜日締め切りの営業資料なんですが、まだ今日は水曜日なのにもうあらかたできあがってて、後は細かい数字を埋めていくだけで完成、というところまで来てるんです。
マサヨシ課長 おお、それはすごい。一転、“攻め”に転じたというわけだ。
ヒロシ主任 ハイ、そうなんです。実際の締め切りに先立って、「マイ締め切り」を設定するようになってからはだいぶラクになりました。
マサヨシ課長 よし、そしたらさらに一歩進めようか。今回は、営業資料という毎週やってくる締め切り仕事をラクに守れるようになったという成果に過ぎないわけだが、仕事はそういう定型的なものばかりではないだろう。何か思いつくかね?
ヒロシ主任 不定型で突発的な仕事、ということですね。そういうことなら山ほどありますが、特に提案書や企画書を作る仕事にはいつも苦労してます。
マサヨシ課長 それは例えばどんな苦労なんだい?
ヒロシ主任 端的にいえば、やり方が確立できていなくて、毎回一から考えるのがしんどいなぁーと。
マサヨシ課長 なるほど。まぁ、「毎回一から考える」というのはあながち間違ったことではないにしても、効率という面で考えると確かに悩ましい問題かもしれないな。
ヒロシ主任 そうなんです。当たり前ですけど提案内容はお客様ごとに違いますから、そもそも定型化できないんじゃないかな、と思うんですよね。
マサヨシ課長 となると、「毎回一から考える」というやり方そのものを定型化してみるというのはどうだろう。
ヒロシ主任 え? すいません、それは一体どういうことでしょう?
マサヨシ課長 つまり、「考える」という仕事を引き伸ばして刻むんだ。言い換えれば「見通しをつけた上で、少しずつ進める」ということになる。私の中ではこの方法を「前倒し仕事術」と呼んでいる。
ヒロシ主任 なるほど。つまり「先送り」の反対ですね。
マサヨシ課長 そういうことだ。具体的には――。
「解決編」に続く
筆者:大橋悦夫
仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)がある。
関連記事
- シゴトハック研究所 バックナンバー
- 「先送り繰り返し症候群」根絶法【解決編】
「今日やらなくても大丈夫──」。分かっていてもつい先送りを繰り返してしまうあなた。どんな背景があって、どうしたら先送りを根絶できるのでしょうか。 - 「マイ締め切り」で間際のバタバタをなくす【解決編】
誰しもが経験のある、締め切り間際になって追われるように取り組んでいる仕事。この“追われるモード”から脱却し、仕事を“追いかけるモード”にシフトする方法を解説します。 - 作業中の邪魔に対応する方法【実践編】
作業中に突然の電話があったり、話しかけられたりして、終わった後、「あれ、僕は何をやろうとしていただっけ?」ということはありませんか。 - 作業を中断させない「長篠メソッド」【理論編】
複数の仕事を同時進行させるだけではなく、1つの仕事も細切れの時間で作業しなくてはならないのが、現代のビジネスマンだ。戦国時代の「長篠メソッド」に解決策を見る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.