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判断&行動の基準「What」を明確にする自分らしいキャリアを築くために(2/2 ページ)

ビジョン型、価値観型、どちらの傾向が強い人も、判断と行動の基準となる「What」=自分軸を確立することが大切。今回はWhat(自分軸)、How(方法)の関係性を明らかにします。

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 例えば「ハワイじゃなきゃダメだ」という人。理由がバイトだろうが、ワーキングホリデイだろうが、遊びだろうが、結婚式だろうが、理由はともかく、とにかくハワイに行きたいという「目的地」が大事な人がいます。一方で斎藤さんと房野さんのように「理由」が大事な人もいます。房野さんは、南の島でゆっくりできるのだったら、バリでもフィジーでもいいんですよね。斎藤さんの場合も、ある程度本がゆっくり読めれば、どの山でもいい。

人生が旅行だとしたら──

 このように旅行だったら、必ず目的地や理由があります。翻って、みなさんご自身は、“どんな人生を送りたいか”という目的地や、“なぜそんな人生を送りたいか”という理由がありますか? ないまま生きていませんか?

 例えば東京駅からなんとなく来た電車に乗り込んで、、なんか違うと思いながら長野行きに乗ったり、なんか違うと思いながらみんなが乗ってるから同じ電車に乗ってみたりして、そのうち、なんか違うと思いながら浜松のどこかで息絶えていたりしていませんか(笑)。一生懸命働いていないかというと、そうではありません。一生懸命働いてはいるけど、理由や目的地がないまま、一生懸命なのです。50年くらい前だったら食べるのに精一杯で、人生の目的や理由なんて考えず、ひたすら働くしかありませんでした。ところが、現在は、何かしら仕事はあるし、どうにかすれば食べてはいけますね。食べるということだけを目的に生きていると、充実した人生を送ることはできません。自分で人生の目的地や理由をデザインする必要があるのです。

 仕事でもそうです。今の会社での仕事の目的とか、“なぜそんな仕事がしたいのか”という理由はありますか? 仕事でも「理由」や「目的地」が大事かもしれません。そうじゃないと、朝から晩まで一生懸命働いた割には疲れるだけで、何も満たされないということがあるかもしれません。

 さて、お気づきかと思いますが、理由や目的地を別の言い方でいうと、理由というのは「価値観」です。“自分にとって何が大事?”と考えることですね。目的地は「ビジョン」です。“本当はどうありたい?”と考えることで出てきます。旅行には、“△△(理由)がしたいからそこに行きたい”とか、“どうなりたいから○○(目的地)に行きたい”、というものが必ずあります。人生でも、理由(価値観)や目的地(ビジョン)を指針にすることで、時勢の流れや時代の流れの速さに巻き込まれずに、自分の軸をしっかり持てます。

 価値観と言われると大げさに感じる場合は、「どんなときに自分らしい?」と考えてみましょう。「仕事をしていて、どんなときに自分らしいですか?」と聞かれると、「こんな案件が、こんな風に決まったとき」と答えられる人がいます。同じように、「あなたの仕事のビジョンは?」と言われると大きすぎると感じる場合も、「仕事のありたい姿は?」と考えてみます。

 なお、私はこの“自分にとって何が大事?”という「価値観(自分らしさ)」と、“本当はどうありたい?”という「ビジョン(ありたい姿)」を合わせて「What」(=価値観+ビジョン)と呼んでいます。一方、目標や資源、方法は「How」です。「目標」を決めて、そのための「資源」を探し、実現させるための「方法」を選ぶことが「How」となります。

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