“アドビ版ウィジェット”「Apollo」は2007年後半公開
アドビシステムズは、Flash Player、Adobe Readerに次ぐ新プラットフォーム「Apollo」を2007年後半に無償で公開すると発表した。HTML、Flash、PDFを1つの環境で実行できることが特徴だ。
アドビシステムズは、新プラットフォーム「Apollo」を2007年後半に無償で公開すると発表した。17日に都内で同社のプロダクト&セールスエンジニアリング部の太田禎一プロダクトスペシャリストがFlash向けに書かれたアプリケーションなどをWebブラウザなしで動作させるプラットフォーム「Apollo」を利用したアプリケーションのデモを行った。
アドビ製のリッチクライアント実行環境としてFlash Player、Adobe Readerがあるが、Apolloはこれらに次ぐ第3の実行環境。HTML、Flash、PDFを1つの環境で実行可能で、ブラウザでFlashを表示する場合と異なり、オフラインでも使い続けることができる。また、OSを問わないのも特徴だ。
ユーザーにとっては、ブラウザと比べてオフラインでも使いやすく、ローカルファイルへのアクセスが自由に行えることがメリット。「Vista Sidebar Gadget、Yahoo!ウィジェット、Mac OS Xのダッシュボードなどのデスクトップアプリケーションに対するアドビシステムズの回答」だと太田氏は説明した。
Apolloに適したアプリケーションとしては、断続的にネットに接続するようなもの(グループウェア、メールクライアントなど)、ブラウザのウィンドウ形状やボタンに束縛されないアプリケーション(プロモーション用ガジェット、ファンクションキーを多用するデータ入力クライアントなど)、ドラッグ&ドロップ、クリップボードなど、OSやデスクトップとの統合性を高めたいアプリケーション(ファイルアップローダーなど)、ローカルディスクに存在するファイルを活用したいアプリケーション(デジタルフォトビューア、音楽プレーヤーなど)が挙げられる。
デモでは、2つのアプリケーションを実行してみせた。金融サービス向けのアプリケーションでは、PDFファイルを読み込んだり、入力した値に応じてFlashでグラフを上下させたりというデモを行った。もう一方はオンラインオークションの米eBayへの入札や出品ができるもの。出品物の写真が複数ある場合は、重なった写真を1枚ずつ後ろに回るように閲覧する。出品時に必要な写真は、PCに取り付けたWebカメラを操作して撮影し、即座に表示可能で、別のアプリケーションを立ち上げる必要がない。
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