「やっつけ仕事」を防ぐ段取り術【問題編】:シゴトハック研究所
締め切り直前まで手が付けられない──。こんな症状はいずれ、「やっつけ仕事」の連発につながります。タカフミ君も発症気味のようですが、その対策は?
苦手な仕事になかなか手をつけられずに、締め切り間際まで追い込まれてしまい、結局「やっつけ仕事」で何とか毎回終わらせているタカフミ君。何とかしたいと思いつつ「喉元過ぎれば」で、有効な対策を打てずにいるようです。
ヒロシ主任 タカフミ君、昨日も終電だったみたいだね。
タカフミ君 そうなんですよー。毎月この仕事は締め切り直前になるまで手がつけられなくて……。
ヒロシ主任 あー、そういう仕事ってあるよね。
タカフミ君 今はまだ終電で帰れてるからいいですけど、いつか徹夜しないといけなくなる日が来るんじゃないかと思って、毎回ドキドキしてます。
ヒロシ主任 そのスリルを楽しんでたりすることもあるんじゃない?
タカフミ君 うーん、ちょっとあるかも……。いやいや、でも、いい加減なんとかしたいですよ! 「やっつけ仕事」なんてできればやりたくないですし。
ノリオ課長 「やっつけ仕事」にやっつけられてるのかい?
タカフミ君 ええ、毎回勢いで何とか終わらせてる感じなんですが、勢いってどうなんだろうって……。
ノリオ課長 確かに、勢いは大事だけど、勢いだけでは大きな仕事は乗り切れないだろうね。
タカフミ君 はい、まさにそこです!
ノリオ課長 どうして「やっつけ仕事」になってしまうんだろう?
タカフミ君 うーん、それで終えることができてしまうのがいけないんですかね。
ノリオ課長 つまり、曲がりなりにもうまくいってしまうわけだ。
タカフミ君 いや、決して思い通りに、というわけではないんですが、とりあえず終わる、というレベルです。
ノリオ課長 じゃぁ満足はしてないわけだ。
タカフミ君 はい……。前に進めている気がしないんです。やる気はあるのに空回りしている、というか。
ノリオ課長 そうか。水は溢れるほどあるのに、水路がないわけだ。
タカフミ君 水路?
ノリオ課長 そう。水路がきちんと整備されていれば、水は勢いを保ったまま遠くまでよどみなく流れるはずだよね。
タカフミ君 勢いをうまく流す水路、ということですか?
ヒロシ主任 課長、それって、スケジュールのことですか?
ノリオ課長 その通り! 水の流れやすい水路とそうでない水路があるんだ。ちょっとタカフミ君の水路を点検してみようか。
筆者:大橋悦夫
仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『「手帳ブログ」のススメ』がある。
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