MicrosoftのWindows Mobile用ブラウザ「Deepfish」を試す
3月29日公開になったMicrosoftのWindows Mobile用ブラウザ「Deepfish」のテクノロジープレビュー版。さっそくW-ZERO3[es]にインストールしてみた。
Windows Mobile用ブラウザといえば、「Opera」「jigブラウザ」「NetFront」などが有名だ。Microsoftも「Internet Explorer Mobile」を提供している。そのMicrosoftがWindows Mobile用のブラウザ「Deepfish」のテクノロジープレビュー版を公開した(3月29日の記事参照)。
アクティベーションIDはなくさないように
Deepfishは、Windows Mobile 5.0以上に対応する。Windows Mobile 6を搭載したウィルコムのスマートフォン「W-ZERO3[es]」にさっそくダウンロードしてみた。ちなみに、日本時間の3月29日に公開された「Deepfish」のテクノロジープレビュー版だが、当初想定していたダウンロード数に達したため、現在はダウンロードできない。ただし、登録自体は可能なので、気になる人は登録だけでもしておくといいだろう。
ダウンロードページ。PCのActiveSync経由でインストールするMSI形式のファイルか、携帯端末にプログラムを移動させてインストールするCAB形式のファイルを選択しよう。従来の「ActiveSync」とは異なり、Windows Vistaでは「Windows Mobile Device Center」を利用するため、それぞれWindows Vista用ファイルが用意されている
W-ZERO3[es]には、PCでダウンロードしたファイルをminiSD経由で移動した。W-ZERO3[es]の「ファイルエクスプローラ」−「マイデバイス」から「miniSD」フォルダにアクセス。DeepfishのCABファイルを展開すると、「マイデバイス」の「Program Files」フォルダにブラウザ本体がインストールされる
ブラウジングは、ズーム機能が特徴
アクセス中。左下にKbpsを表示。ちなみに実験機の通信速度は最大128Kbps。Deepfishでの表示速度は10Kbps前後だった。サーバ経由なので、端末の機能以外にも通信速度に影響する要素がありそうだ
Deepfishのブラウジングは、アクセスしたサイトのコンテンツをいったんMicrosoftのサーバで携帯電話で見やすいように変換して表示する仕組み。サイトの画面全体を表示して、クリックしたいところや詳しく知りたいところはズームして利用する。
W-ZERO3[es]の場合、真ん中の決定ボタンを押すとズームできる範囲をグレーで表示。方向キーでズームの範囲を移動できるほか、左ソフトキーで「Zoom Out」、右ソフトキーで「Zoom In」と拡大・縮小できるのだ。決定ボタンを押してみると、アニメーションでズームする。ズームに合わせて画像やテキストの輪郭がくっきりしてくる。
アクセスできないページがある!?
Deepfishはまだテクノロジープレビュー版だ。そのためか、Microsoftの国内法人に確認したところ、現時点ではFlashやJavaScriptを使ったコンテンツは利用できないほか、動画や音楽のファイルも再生できない。つまり、Ajaxを活用したWindows Liveのログイン画面やGoogleカレンダーなどのオンラインサービス、YouTubeなどの動画共有サイトなどは利用できないわけだ。
さらに、Deepfishを起動した直後、アドレスバーにURLを直接入力すると、エラーが表示されてアクセスできないことがあった。Deepfishの「menu」の「Activate」を行っても同様だ。編集部で確認した限りでは、ブラウザの起動直後、Home(初期設定はMSN)にアクセスするか、Favoriteに登録したサイトに一度アクセスすると、ほかのサイトにもアクセスできるようになった。HomeやFavoriteのサイトにアクセスすると画面左下に「Validating」と表示されることから、何らかの確認を行っているようだ。
Microsoftによれば、今回のテクノロジープレビュー版はユーザーの意見を知るためのもので、製品版だけでなくα版やβ版の提供時期も未定だという。まだまだ完成度は低いDeepfishだが、ズーム機能など意欲的な部分もある。今後の動向に期待したい。
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