コミュニケーションを倍速化するSkypeチャット活用法:デジタルワークスタイルの視点
無料電話で有名なSkypeですが、強力なチャット機能も搭載しています。連載「デジタルワークスタイルの視点」お勧めのSkype活用法をご紹介しましょう。
プロジェクトチームやグループのコミュニケーションに、メールではなくチャットを使う方法を前回ご紹介しました。ただ、一般的なメッセンジャーで、1対1のチャットを毎回実施するのは面倒という人も多いかもしれません。
そこで、お勧めしたいのがSkypeのグループチャットを使うこと。Skypeというと、無料電話ソフトと紹介されることも多いため、電話代わりのツールと思っている人も多そうですが、実はグループチャット機能も活用されています。実際にはSkypeに慣れている人ほど、電話よりもチャット機能を重宝しているのではないかと思われるほど、グループチャット機能は強力なのです。以下、「Skype 3.1」(3月15日の記事参照)を前提に機能をご紹介します。
Skypeグループチャットが便利な3つの理由
- 複数のグループチャットを作成できる
- グループチャットを保存できる
- 相手がオフラインでもメッセージを送信できる
複数のグループチャットを作成できる。
Skypeでは、チャットをしたい相手を選んでチャットを開始した後、いつでもチャット画面左上の[追加]ボタンから、そのチャットにメンバーを増やせます。グループチャットのメンバーは何と100人まで増やすことが可能なので、通常のプロジェクトチームや、会社のグループであれば余裕で全員をメンバーに設定できるはずです。つまりプロジェクトチームやグループ用のグループチャットを簡単に立ち上げられるわけです。
さらに、このグループチャットはいくつでも作成することができます。1つのグループチャットを実施している間にも、その裏でほかのメンバーとチャットをしたり、同じプロジェクト内でもプロジェクト全体のチャットと、チームごとのチャットを立ち上げることも可能なのです。
もちろん、あまり複数チャットを立ち上げすぎると、どれがどれだか分からなくなりますから無意味に複数グループチャットを作らないようにしましょう。
グループチャットを保存できる
複数のグループチャットを作成したときに便利なのが、チャットのブックマーク機能。グループチャットを作成したら、チャットウィンドウのメニューから[ブックマーク]−[このチャットをブックマーク]にチェックしみて下さい。それぞれのグループチャットでこの操作を繰り返すだけで、簡単にチャットをブックマークできます。
後は必要なときにSkypeメインウィンドウの[チャット]−[ブックマークしたチャット]から該当のチャットを呼び出すだけ。チャットをしたくなった時に毎回メンバーを追加しなくて良いので、頻繁に実施するグループチャットで利用すると便利です。
万が一、ブックマークをし忘れても、同じく[チャット]−[最近のチャット]に直近のチャットが並ぶのでこちらも便利。覚えておくといいでしょう。
ちなみに、複数のチャットを利用している人は、チャットウィンドウの[オプション]−[タイトルを設定]を選択。グループチャットのタイトルを分かりやすく設定しておくこともお勧めします。
相手がオフラインでもメッセージを送信できる
ところで、Skypeのグループチャットで、当たり前のようで便利な機能が、相手がオフラインでもメッセージを送れる機能です。
最近でこそ、Windows Live MessengerやYahoo!メッセンジャーなどでも同じ機能が搭載されましたが、これまでのメッセンジャーは、お互いがオンラインでないとチャットを行えないのが通常でした。これだと、ちょっとしたメッセージを送りたいだけでも、もし相手がオフラインの状態だと相手がオンラインになるのを待たないといけません。
相手がいつオンラインになるか分からないと、待っているのが大変ですから結局メールを使う羽目になりがちです。それがSkypeチャットでは、相手がオフラインの状態でもチャットをはじめることができ、相手がオンラインになったときに自動的にメッセージが送信される仕組みになっています。
相手がオンラインになる前に自分がオフラインになってしまうとメッセージは届かないので注意が必要です。逆に考えると、グループチャットに参加している誰かがオンラインであれば、オフラインの間に流れたメッセージも、自分がオンラインになったとたん、すべて受信されるのです。ちなみにBiz.ID編集部では、常時稼動しているサーバマシンでSkypeを立ち上げ、グループチャットを行う際はそのサーバもメンバーに入れておく――という方法でメンバー全員がオフラインになることを防いでいます(2006年12月の記事参照)。相手のオンラインオフラインを気にせずメッセージを送ることができるのは、地味なようで便利な特徴といえるでしょう。
無料電話というイメージが強いSkype。グループチャット機能の印象は薄いですが、実はこの機能だけでもSkypeを利用する価値があるぐらい便利な機能です。ぜひ、プロジェクトチームやグループのメンバーと使ってみて下さい。
筆者プロフィール 徳力基彦(とくりき・もとひこ)
NTT、ITコンサルを経て、現在はアリエル・ネットワーク株式会社プロダクト・マネジメント室マネージャ。ビジネスパーソンの生産性向上のためのソフトウェアの企画・開発やコンサルティング業務に従事するほか、グループウェアやブログ、仕事術などに関する執筆・講演活動を行っている。ブログは「ワークスタイル・メモ」と「tokuriki.com」
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