Internet ExplorerからIEコンポーネントのタブブラウザ(Donut)へ。そしてFirefoxへと、筆者のブラウザ環境は変遷してきた。
今回は、Firefoxを使ってWebブラウズするときに、高速に操作する10の技を紹介する。いや、設定を細かくカスタマイズするというよりも、どちらかというと使い手側をカスタマイズする。Webブラウザはマウスで操作するもの──という思いこみを捨てて、驚くほど速いキーボードブラウジングの世界へ来てみよう。
(1)タブを切り替える
Firefoxはタブブラウザだから、当然多くのタブを開きながら操作することになる。そしてタブを行き来しながら、ページを見たり、違うタブを開いて入力したりするわけだ。ここはぜひマウスを使わずに、キーボードショートカットで済ませたい。基本となるのは下記の3つだ。
- [Ctrl]+[Tab]
タブを順に切り替える。お勧めはタブ機能を拡張する「Tab Mix Plus」を入れて、「Ctrl+Tabで最近表示した順にフォーカスを移す」にチェックを入れること。すると、例えば10個タブを開いていて、タブAを見ている。前に見ていたタブBを確認したくなったら[Ctrl]+[Tab]。そしてまたタブAに戻りたくなったら[Ctrl]+[Tab]──。こんな操作が可能になる。つまり、Windowsのウィンドウ切り替え[Alt]+[Tab]と似通った動作になるわけだ。
(2)タブを切り替える2
続いては、画面に並んでいる順にタブを切り替える。
- [Ctrl]+[PgUp]/[PgDn]
押すたびにタブが切り替わる。筆者は左手で[Ctrl]を押すので両手が必要になるため、実はこのショートカットはあまり使っていない。
- [Ctrl]+[1]〜[0]
実は、[Ctrl]を押しながら数字キーを押すとタブを切り替えることができる(4月16日の記事参照)。最も左から順に数字が振られている。[Ctrl]+[1]〜[3]は左手1つでも操作できるので、左の3つのタブによく参照するものを開きっぱなしにするといい。Tab Mix Plusなどを入れて、そのタブをロックし、消せないようにすればなお便利だ。
(3)タブを閉じる
Firefoxのタブには、マウスで閉じることのできる×ボタンが付いているが、できればスマートにキーボードから閉じたい。ショートカットは、
- [Ctrl]+[W]
だ。[Ctrl]+[Tab]で切り替えつつ、いらないなと思ったらすぐに[Ctrl]+[W]。これだけでもタブはかなり快適になるはず。
(4)アドレスバーに移動
タブを自在に操作できたら、次はアドレスバーを操る。キーは、
- [Ctrl]+[L]
よく行くサイトのURLを覚えているなら、[Ctrl]+[L]に続いてURLの一部を入力すれば、これまでの履歴からFirefoxが自動的にURLを補完してくれる。そして[Enter]これだけでサイトにアクセスできる。
現在開いているサイトのURLをコピーするときも、[Ctrl]+[L]→[Ctrl]+[C]というコンビネーションが有効だ。
(5)この検索にキーワードを設定
[Ctrl]+[L]は、「この検索にキーワードを設定」と併せて使うと便利だ。これはあるサイトの検索ボックスにキーワードを設定することで、簡単にそのサイトの検索を行えるという機能だ。
例えばAmazonで簡単に商品を検索するには次のようにする。(1)まずAmazonにアクセスして検索窓で右クリック。(2)表示されたメニューから「この選択にキーワードを設定」を選ぶ。(3)キーワードとして「a」と入力しておく。(4)[Ctrl]+[L]でアドレスバーに行って、「a Biz.ID」と入力する。(5)するとAmazonで「Biz.ID」を検索したのと同じページが開く。というわけだ。
ちなみに「この検索にキーワードを設定」すると、ブックマークとして保存される。今度はそのブックマークのプロパティを開いて、
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&sitesearch=itmedia.co.jp&q=%s&lr=
と入力してみよう。キーワードは「i」あたりを設定しておく。
すると、アドレスバーで「i firefox」と入力すると、ITmediaの記事の中からfirefoxという単語でGoogle検索が行えるようになる。
キーワードは、検索窓でなくても設定できる。つまり、ブックマークしたサイトにキーワードを設定しておけば(例えばBiz.IDにB)、[Ctrl]+[L]→[B]→[Enter]でBiz.IDにアクセスできる。詳細はこちらの記事も参照のこと(2006年9月15日の記事参照)。
(6)検索窓に移動
今度はアドレスバーではなく、検索窓だ。
- [Ctrl]+[K]
と打つと、Firefoxの検索窓にカーソルが移る。すかさずキーワードを入力すれば、高速に検索が可能だ。ちなみに、「Googleツールバー」を入れていても、Googleツールバーの「設定」−「オプション」−「Firefox検索ボックスを置換」に設定しておけば、[Ctrl]+[K]で検索窓にアクセスできる。
(7)次の検索候補
キーボードでFirefoxを操作するときに避けられないのが検索(2月2日の記事参照)。[Ctrl]+[F]でページ内検索のバーがウィンドウ下部に現れる。バーにフォーカスがある限りは、[Enter]キーを押していけば次の検索結果にジャンプするが、ページ内にフォーカスを移してしまった場合は、
- [Ctrl]+[G]
だ。また1つ前を検索したい場合は、[Ctrl]+[Shift]+[G]を押す。
(8)戻る(進む)
ブラウザで最も多い操作──「戻る」もキーボードでスマートに行いたい。いろいろなショートカットがあって、[Alt]+[←]でもいいのだが、
- [Backspace]
が、シンプルでお勧め。ちなみに「進む」場合は、[Shift]+[Backspace]を使う。
(9)キーボードで文字を選択
Webサイトには、「ここを選択したいんだけど、リンクが設定してあって、うまく選択するのが難しい」という場所がある。ブログのタイトルなどは、ほとんどがそうだ。
こんなときはマウスで文字を選択するのをあきらめて、[F7]キーを押してみよう。マウスカーソルがあった部分に、キーボードカーソルが現れるはずだ。これはキャレットブラウズモードというもの。この状態で、[Shift]を押しながら矢印キーを操作してみる。すると、リンクに関係なく選択ができるはずだ。リンクが張られている文字列の一部を選択する──なんてことも簡単。元に戻すには再び[F7]を押す。
(10)ダブルクリック、トリプルクリック
最後に、これはキーボードショートカットではないのだけれど、意外に便利なのでご紹介する。Firefoxではマウスで文字をダブルクリックすると、その単語が(日本語の場合は文字の切れ目らしきところで)選択される。
これを応用すると、例えばアドレスバーのURLを一部分だけ変えたいときなどに便利だ。「.com」を「.co.jp」に変えたいときは、「com」の部分でダブルクリックすると「com」だけが選択される。
トリプルクリックすると、ブラウザ上の1行が選択される。
関連記事
- Opera 9.2の新機能「スピードダイヤル」はFirefoxとIE7で再現できるか
ブラウザを立ち上げたときに最初に表示する「ホームページ」。Opera 9.2ではWebサイトのサムネイルを最大9つまで表示できる「スピードダイヤル」を実装した。この便利な機能をFirefoxやIEでも再現できないものだろうか。 - 第2回 キーボードだけでWebブラウジング
仕事の効率を上げるための最もお手軽な方法。それはPCの操作速度を上げること。今回は、ほとんどのユーザーが長時間利用するWebブラウザを高速に操作する方法を考える。 - Firefoxのブックマーク・キーワード活用法
「%s変数」の利用など、ブックマークにキーワードを割り当てるFirefoxの機能を生かし、各種サイトへのアクセスをスピードアップする。(Lifehacker) - 第1回 キーボードショートカットを活用するホームポジション
- 第2回 キーボードだけでWebブラウジング
- 第3回 待ち時間をなくすための軽快アプリケーション
- 第4回 カスタマイズなしのPC利用法
- 第5回 バックアップの取り方を考える
- 第6回 HDDのダイエット法
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.