ノリオ課長によるペアで仕事をするという考え方についての解説を受けたタカフミ君とカホコさん(6月8日の記事参照)。2人の次なる疑問は、実際にペアを組んで仕事をするには具体的にどうすればよいか、です。
タカフミ君 なるほど、ペアを組むとはそういうことだったのですね。何となく分かりました。
カホコさん でも具体的にはどうすればいいんですか?
ノリオ課長 システム開発の世界には「ペアプログラミング」という開発手法があるんだけど、2人はご存じかな?
カホコさん 言葉だけは聞いたことがあります。
タカフミ君 ペアでプログラミングをするんですよね、そのまんまですけど。
ノリオ課長 文字通り2人ペアで1つの画面を見ながらプログラムのコーディングを行うわけだ。
タカフミ君 ええ、それは分かるんですけど、何か時間がもったいなくないですか? せっかく2人いるのに、1人分の仕事しかできないじゃないですか。
ノリオ課長 そう思うだろう? でも今まで1人で仕事を進めていても「思うように予定がこなせない」って思っていたんだろう?
タカフミ君 うぐ……、確かに。
ノリオ課長 2人で1つの画面を見ることになると、できなくなることがあるよね?
カホコさん あ! メールチェックとかWebサーフィンとか余計なことができなくなりますね。
タカフミ君 例えば、チャットとかmixiとかTwitterとか「ちょっとくらいならいいか」って感じで、やってしまいますもんね。
ノリオ課長 その通り。1つの画面を一緒に見るということは、1人で仕事をしている時とか明らかに違うモードを要求されるわけだ。
タカフミ君 なるほど。
ノリオ課長 今回は、プログラミング以外の仕事でも「ペア」の効用を活かそうというわけだ。でも、プログラミングと違って、ペアによるミーティングこそ1つの画面を見ながら進めるけど、具体的な作業はそれぞれ自分の画面に戻って行うことになるんだ。それでも「ペアプログラミング」の効果だけは得られるようになる。
カホコさん そんなうまい方法があるんですか?
ノリオ課長 ポイントは、予定と実績とそのプロセスという3つの要素を共有することかな。
筆者:大橋悦夫
仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『「手帳ブログ」のススメ』がある。
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