くっつくマーカー、はずせるホワイトボード:ISOT 2007
あくなきミーティング環境を求めると、「ホワイトボードは持ち歩きしたい」「マーカーの置き場を気にせずにすみたい」とか、人間はどんどん貪欲になる。そんな理想に近づいた会議ツールをISOTで見かけた。
議論に熱中し出すと、ついつい散らかりがちなホワイトボードマーカー。書かないときは置き場を気にせず、いざ書くときはすぐに使えるのがベスト。ホワイトボードもできれば持ち運びして、いろんなところで会議したい――。そんな、会議ツールの理想に近づいたのが「Pencle(ペンクル)」と「Rakusuru(ラクスルー)」だ。東京ビッグサイトで開催中の第18回「国際文具・紙製品展(ISOT)」で見かけた。
ホワイトボードにくっつくPencleの秘密はキャップにある。このキャップにネオジウム磁石を埋め込んだ。そのため、鉄製のホワイトボードにくっつくというわけだ。さらに、キャップには傾斜も付けた。ホワイトボードから20度の角度で固定されることになり、この角度が「手に取りやすい最適の角度」(開発・販売元のサニー)だという。
もちろん、すべてのホワイトボードが鉄製というわけではない。サニーでは、Pencle用にステンレスチップを埋め込んだシート「Rakusuru」も発売する。このラクスルーは、PETコーティングした筆記面の裏がアクリルフォーム層で、ポスト・イットのように壁に付けたり、はずしたりできる。アクリルフォーム層には無数の気泡が空いており、この気泡が壁の凹凸を吸収して、吸着力を増すという。
鉄製以外の既存ホワイトボード向けには、ステンレスチップを埋め込んだ「ペンステーション」というシートも用意。サイズは75×155ミリ(縦×横)で、こちらも裏がアクリルフォーム層になっている。なお、ステンレスチップを埋め込まないタイプのRakusuruも開発しており、このペンステーションとセット販売も行う。
Pencle自体は、最近流行のインクがペン先に直接染み込む直液式ではなく、従来どおりの中綿式マーカー。ホワイトボードに上向きに付くのでインクの出が気になるが、会場で試したところ、書き味は悪くなかった。インクの詳細は不明だが、「水で消せる水性のインクを利用している」という。
Pencleのインクカラーは青、赤、黒の3色。価格は1本400円。チップを埋め込んだRakusuruの価格は、1100×1200ミリ(縦×横)が14800円、1100×600ミリが7700円、480×600ミリが4400円、480×280ミリが2400円、240×280ミリが1100円。チップなしのRakusuruは、1100×1200ミリが9600円、1100×600ミリが5500円、550×600ミリが3200円、550×300が1900円、275×300が900円。ペンステーションは400円となっている。
なお、PencleとRakusuruは、今回のISOTで第16回「STATIONERY OF THE YEAR 2007」の優秀賞に選ばれている。サニーでは今後、Pencleのインクカラーを増やす予定のほか、他社のホワイトボードマーカーでも利用できるキャップを開発するという。
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