メモ帳からコミュニケーションツールに移行する3つの“ブログ会話術”:デジタルワークスタイルの視点
ブログを自分のために書き続けてみて、ある程度ブログを続ける自信ができてきたら、是非ブログを単なるメモ帳としてだけでなく、コミュニケーションツールとして使ってみることに挑戦してみましょう。
ブログを簡易的なWebサイト作成ツールと捉えていると、“ブログがコミュニケーションツール”という表現には違和感を覚える人も多いかもしれません。ですが、ブログには静的なWebサイトと異なり、ブログの書き手同士がコミュニケーションを広げるための機能が最初から実装されています。
直接相手と会わなくても、時間や距離の壁を越えて相手とコミュニケーションを取ることができるというのは、インターネットの大きな魅力。ブログというツールは、そんなインターネットのコミュニケーションの可能性を感じるのに最適なツールの1つと言えます。
「そんなこともう知っているよ」という方もいるかもしれませんが、今回は改めてそれらの機能の活用のポイントをご紹介したいと思います。
ブログでコミュニケーションの輪を広げる3つのポイント
- コメントで会話してみる
- トラックバックで会話してみる
- イベントやセミナーで直接会話してみる
コメントで会話してみる
ブログでコミュニケーションを取るために、最も手軽なのがご存知ブログのコメント機能です。一般的なブログサービスにおいては、記事ごとにコメント欄がついており、誰でもそのコメント欄に自分の感想や意見を書き込むことが可能です。まずは、普段よく読んでいるブログや参考にしているブログで、コメントを書き込んでみてください。
ポイントは、コメントと一緒に自分のブログURLも書き込むこと。大抵のコメント欄では、ブログのURLを記入してコメントをすると、コメントの署名欄などから自分のブログにリンクが張られるようになっています。
自分のブログにリンクされることで、コメントした記事の書き手に自分のブログを知ってもらうことができるようになり、さらにはその記事を読んでいる他の読者にも、あなたのブログを知ってもらえる機会が生まれるわけです。
単に連絡を取りたいだけの場合、メールアドレスを記入する人もいますが、コメント欄が公開されている場合、不特定多数の読者にもそのメールアドレスが公開されてしまいます。その点、URLであればブログにリンクされるだけなので、メールアドレスを露出することなく何らかのコミュニケーションが取れはずです。
もちろん他人のブログのコメント欄は、自分のブログを宣伝する場所ではありません。大事なことは、あなたがブログの書き手や他のブログ読者の参考になるようなコメントを書くことです。コメントの内容が気になれば、自然とほかのブログ読者はあなたのブログを見に来てくれます。自分のブログに来てくれることを期待するあまり、内容のないコメントを各所に撒き散らす“コメントスパマー”にならないように注意してください。
トラックバックで会話してみる
コメント欄を通じて、ブログの会話に参加するのに慣れてきたら、今度はトラックバックを使ってみましょう。最近は、トラックバックスパムも多くなってきているため、「トラックバック不要論」も根強いですが、ブログ同士でコミュニケーションを取るにはまだまだ有効な手段です。
トラックバック機能を活用する上で最も大事なのは、相手の記事にリンクして自分の意見を書くという点です。そもそも、リンクせずにトラックバックすることも可能なのですが、実際されてみるとトントンと叩かれて振り返ったら、もう相手はそっぽ向いていたというような印象を受けます。
「関連する話題だからトラックバックしていいじゃないか」という人もいるようですが、会話のマナーとしては相手に好感をもたれるとは思えません。自分のブログ記事では触れてないのにトラックバックをどうしても打ちたい場合などには、ブログ記事の最後に関連記事として掲載するぐらいはした方が良いでしょう。
ちなみに、相手がブログ検索サービスやアクセス解析ソフトを使っていれば、トラックバックされなくても自分のブログにリンクしているブログ記事を見つけることができますので、トラックバック機能を使うことよりも、相手のブログにちゃんとリンクし、引用する形で記事を書いていれば相手と会話が成立する可能性は高いかもしれません。
イベントやセミナーで直接会話してみる
ブログをインターネットならではのコミュニケーションツールと紹介しておいて、実際に会うことを勧めるというのは矛盾しているように感じる人もいるかもしれませんが、やはりコミュニケーションの密度を濃くしたい場合には、相手と一度会うということは大きな意味を持っています。
実はブログを書いている人同士であれば、イベントやセミナーで会うというのは、全く知らない人同士が会うよりもはるかに簡単です。
直接相手と会うことができれば、文字や写真だけのコミュニケーションよりもはるかに多くの刺激を相手から受けることができるはず。
せっかくブログのおかげで、いろんな人とインターネット経由でつながることができるようになっているのですから、そのメリットを活かして実際に相手と会うことができる場所に積極的に参加してみてください。
一度実際に会うことができれば、その後のブログを通じたコミュニケーションも、また一層深いものになると思います。
もちろん、以上のような行為を全く利用しなくても、ブログを書き続けることには何の問題もないのですが、せっかくブログを書いているのであれば他のブログと全くコミュニケーションを取らないのももったいない話。
たまには、自分のブログから外に出て、他のブログを見てまわってみましょう。コメントやトラックバックを上手く活用することで、またブログの違った魅力に触れることができると思います。
筆者プロフィール 徳力基彦(とくりき・もとひこ)
NTT、ITコンサルを経て、現在はアリエル・ネットワーク株式会社プロダクト・マネジメント室マネージャ。ビジネスパーソンの生産性向上のためのソフトウェアの企画・開発やコンサルティング業務に従事するほか、グループウェアやブログ、仕事術などに関する執筆・講演活動を行っている。ブログは「ワークスタイル・メモ」と「tokuriki.com」
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