Webブラウザでビジネス文書をPDF化──スカイコムが社内サーバ向けソフト
PDFファイルを簡単に作成できるソフトは少なくない。とはいえ、ソフトをインストールするのは面倒だし、社員に配布したソフトの管理も面倒。いつも利用するWebブラウザ上でPDFファイルを作成できるサービスが、スカイコムが発売した「SkyPDF Web Server」である。
ビジネス文書のPDFファイル化するソフトは少なくない。とはいえ、ソフトをインストールするのは面倒だし、システム管理者にとっては社員に配布したソフトの管理も面倒だ。いつも利用するWebブラウザ上で安全にPDFファイルを作成できるサービスはないものだろうか。
ビジネス文書をWebブラウザでPDFに
7月27日にスカイコムが発売した「SkyPDF Web Server」は、サーバ上でPDFファイルを作成するサーバ用ソフト。Adobe Acrobat 8 Elements相当のPDFファイルが作成できる。社内のサーバにインストールすれば、社員はWebブラウザから利用できるようになる。
利用方法は、WebブラウザでSkyPDF Web Serverにアクセスした後、クライアントPCのローカルに保存してあるファイルを指定して「PDF変換」ボタンを押すだけ。Word 2003/Excel 2003/PowerPoint 2003といったOffice製品やVisio 2003、ジャストシステムの「一太郎2007」、富士ゼロックスの「Docuworks」で作成したファイルをPDFファイルに変換できる。ただしあらかじめ、これらのアプリケーションをサーバ側にもインストールしておく必要がある。
PDF変換エンジンは、スカイコムが開発した「SkyPDF」エンジンをベースにしたもの。パスワードによる権限設定や暗号化が可能だ。作成したPDFファイルはAdobe Reader 5以降で確認できるほか、スカイコムの「SkyPDF Viewer 1.5」を利用すれば独自に拡張した「長期保存用署名」も使用できる。
ライセンスは社内利用向けと、BtoBやBtoCのサービスとして外部に提供できるASPサービス向けの2つを用意。社内文書のPDF化を想定している社内利用向けは1CPU350万円〜。ASPサービス向けのライセンスは1CPU当たり初期導入費用が52万5000円、月額利用料が13万6500円(最低契約期間1年間)。
社内文書を社内サーバでPDF化する意味とは
PDF作成は、これまでも無料もしくは廉価なソフトウェアで行うことが多かった。ただし冒頭で述べたように、ソフトをインストールする手間や管理にコストがかかるのも事実だ。
オンラインでPDF化できるサービスがなかったわけではない。米Adobe Systemsでも北米のみの地域限定だが、「Create Adobe PDF Online」を提供しているほか、Adobe以外にもPDFに変換するオンラインサービスは存在していた(2006年12月の記事参照)。
とはいえ、オンラインサービスでPDFに変換する場合にも問題がある。社内の文書をインターネット経由で他事業者のサーバに送信するとなると、機密情報漏洩につながる可能性を完全に払拭することはできないからだ。今回のSkyPDF Web Serverでは、社内サーバにソフトをインストールする。つまり、社内文書を外部に出すことなく、さらにクライアントPCにソフトをインストールすることなくPDF化できるのがメリット──といえそうだ。また、社外のオンラインサービスと比べて、より素早く変換できるという。
すでに一部自治体を始め、民間企業にも導入が進んでいる。現在はOfficeや一太郎などのビジネスアプリのみの対応だが、今後はHTMLファイルなどのWebページも変換できるようにする。要望によっては、OpenOffice.orgなどもサポートするという。また、PDFの統合や分割など、編集機能も強化する予定だ。
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