琵琶湖畔のヨシでノート作り、コクヨが京都・滋賀で販売
琵琶湖では湖水の汚濁に合わせるようにヨシ群落が減った。1950年代後半には260ヘクタールあったヨシ群落は、現在130ヘクタールにまで減らしている。
コクヨ工業滋賀は、琵琶湖・淀川水系のヨシを使用した紙製品「ReEDEN(リエデン)」シリーズを開発した。京都府・滋賀県内の文具店などで11月1日に発売する。
ReEDENシリーズでは、紀州製紙と共同開発したヨシパルプが約1%以上入った紙を使用する。商品ラインアップは「ヨシ 紙」「ヨシ コピー用紙」「ヨシ ノート」「ヨシ 葉書」「ヨシ 名刺」「ヨシ メモ」「ヨシ 封筒」など。とくに名刺は、山田兄弟製紙との共同開発によるヨシパルプ100%の用紙を利用している。
製品名称 | 価格 | サイズ | 枚数 | ヨシパルプ配合率 |
---|---|---|---|---|
ヨシ コピー用紙 | オープン価格 | B5/A4/B4/A3 | 500枚 | 約1% |
ヨシ ノート | 147円 158円 |
A5 セミB5 |
30枚 | 約1% |
ヨシ メモ KPSM-RD | 126円(伝言メモ) 105円(無地) |
B7 | 100枚 | 約1% |
ヨシ 葉書 | 315円〜420円 | 100×148センチ | 10枚 | 約30% |
ヨシ 封筒 | 840円 945円 |
長4(B5判ヨコ四ツ折) 長3(A4判ヨコ三ツ折) |
10枚 | 約30% |
ヨシ 紙 | 472円 577円 525円 |
B5(薄口) A4 525円(厚口) 630円(最厚口) |
10枚 20枚 10枚 |
約30% |
コクヨによれば、琵琶湖では湖水の汚濁に合わせるようにヨシ群落が減少した。1950年代後半には260ヘクタールあったヨシ群落は、現在130ヘクタールにまで減らしているという。滋賀県では1992年に「滋賀県琵琶湖のヨシ群落の保全に関する条例」(ヨシ群落保全条例)を制定し、ヨシ群落を「守る」「育てる」「活用する」活動を支援。しかし、よしずやよしぶき屋根の需要が衰退したことなどが原因で、ヨシの活用は十分とはいえないという。
そこでコクヨ工業滋賀では、ノート、メモ、コピー用紙など、ヨシを使用した紙製品8種類を製造・販売する。ヨシの活用を促進するだけではなく、琵琶湖の環境保護意識を幅広く広めることに貢献するという。また、ReEDENシリーズの売上0.2%をヨシ苗の購入やヨシ刈りを行うNPOへの協賛に充当する予定だ。
琵琶湖は1960年代から湖水の「富栄養化」によって生態系が変化し、アオコの発生が恒常化しているという。ヨシはこうした富栄養化の原因となる水中の窒素・リンを吸収しながら成長するため、水質浄化に効果がある。また、水鳥や魚の棲息地を保護し、湖岸の侵食を防ぎ、二酸化炭素を吸収するなど、琵琶湖の環境維持に役立っているという。
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