第7回 潜在能力、使えてますか?:新入社員がやってくる──専門知識を教える技術(4/4 ページ)
人は通常、脳の潜在能力の10%くらいしか使っていない――。どうしたら100%の能力を発揮できるのでしょうか。筆者の個人的に体験した“コツ”を紹介します。
成果をあげる必要はない。熱中せよ!!
ところで、「100%フルパワー」というのはあくまでも、
- 当人がアタマをブン回しているかどうか
という内的な問題であって、その結果表に出てくる成果の善しあしとは関係ありません。ですから
- 目に見える成果で「フルパワー」を計ってはいけない
と私は考えています。人間のスキルというのは蓄積の上に成り立つものですから、ある時、数学のできない子供に良い先生がついて
- 数学って実はこんなに面白いんだ! がんばって勉強しよう!!
という意欲を持たせ、「熱中」状態を引き出すことに成功したとしても、それで昨日までまったくできなかった数学でいきなり100点を取れるようにはならないわけです。ですから、目に見える成果で「フルパワー」を出しているかどうかを判断しないようにしてください。
- 自分が、自分のアタマを100%ブン回しているかどうか?
それを判断できるのは自分自身だけです。常に自分の状態をモニタリングするメタ認知の意識を持っておきましょう。こればっかりは、外的な基準や他人の目に頼らず、自分自身で判断するしかないのです。分かりやすい基準はありません。ただし、分かりやすい「問い」はあります。それは
- 「オレは今この問題に熱中しているか?」
という自分への問いかけです。もし、これに即座に「イエス」と自信をもって答えられないようならダメだということです。もっとも、本当に熱中している時にはこんな問いかけを思い出しもしないでしょうけれど(笑)
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筆者:開米瑞浩(かいまい みずひろ)
IT技術者の業務経験を通して「読解力・図解力」スキルの再教育の必要性を認識し、2003年からその著述・教育業務を開始。2008年は、「専門知識を教える技術」をメインテーマにして研修・コンサルティングを実施中。近著に『図解 大人の「説明力!」』
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