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第13回 ルールに従っていれば、不安は解消されますか?:実践! 専門知識を教えてみよう(4/5 ページ)
「正しいかどうかを判断するルールを教えて」という質問の多いことが、私は昔から分かりませんでした。最近あることに思い当たって、謎が解けたような気がしています。それは「不安」なのです。
最終的には自分で判断するしかない
冒頭に戻って「自分ではできたと思っていてもそれが正しいとは限らないですよね」と聞かれた時、現在では私は、
- そういう場合は、人に聞くんです。
- 会社の中で、あの人は優秀だ、切れ者だと、頼りにされてる人を見つけて聞いてください。
- 結局、基準があったら判断できるというものじゃないんですよ。
- 自分がその判断力を身に付けるまでは、分かる人に聞くしかありません。
- ただし、どんなに優秀な人の答えであっても最終的には自分で判断するんです。
- 人に聞いてもそれが正しいかどうかは自分で決めるしかありません。
と答えるようにしています。「正しいかどうか」を「決める」というのも変な言い方ですが、「決める」というのは実は、
- 自分の行動を決断する
ことを意味しています。もし仕事をしていて分からないことがあって誰かに相談した時、その誰かが親切に答えてくれたとしましょう。その場合、「その答えが正しいと判断する」ということは、イコール「その答えに沿って自分が何らかの行動をとる」ことになります。つまりこの場合「判断」と「決断」は一体になっています。
逆に言うとそれは、「決断」をする習慣を持たない限り「判断力」は身に付かないということでもあります。「決断」しない限り、シビアな「判断」が必要になることはありませんから、判断力がつくはずもないのです。
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