シゴトハックの目的とは?【解決編】:シゴトハック研究所
シゴトハックの究極の狙いとは、再現と予防です。成功した仕事を再現し、同じ失敗を2度としないよう予防する。そのための工夫や仕掛けを改めてまとめてみました。
今回の課題
シゴトハックの目的とは?
コツ:「再現」と「予防」にこだわる
これまでに100のシゴトハックをご紹介してきたシゴトハック研究所ですが、問題編でのマサヨシ課長の言葉のとおり、テーマは多岐にわたるものの目指すところはシンプルです。それは次の2つです。
- 再現
- 予防
今回はこの2つについて考えていきます。
再現=同じ幸運を意図的に繰り返す
まず1つめの「再現」について。これは文字通り「同じことを繰り返し起こす」という意味です。仕事のスピードやクオリティーが日によって大きく変動したのでは予定が立てられませんし、何よりもクライアントとの間に信頼を築くのが難しくなります。そこで、再現性を高めることによって、安定的に一定クオリティーの成果をスピーディーに生み出していくことを考えるわけです。
例えば、以下のシゴトハックは、再現性を高めるための工夫がベースにあります。
- ストレスフルな状況に押しつぶされないようにするには?(自分に都合よく解釈する)
- 仕事に取りかかるハードルを跳び越えるには?(スターターにスクラッチをつけてもらう)
- 自分一人で進めている仕事を油断せずにやり抜くには?(タイマーを頼りに仕事をする)
いずれも、仕事をしていれば誰もが直面する課題といえますが、大切なことはそこから抜け出す方法を、試行錯誤を通じて自分なりに見つけておくことです。
たとえ偶然であれ、うまく解決できたなら、その時のやり方を“キャッシュ”しておくことです。そうすることで次回に同じことをする際にスピーディーかつ正確に進めることができるはずです。
誰しも「これなら必ずうまくいく」という確信を持って取りかかっているわけではないでしょう。最初は常に「本当にこれで大丈夫だろうか?」という不安に駆られているものです。
それゆえ、「再現」の意味するところは「同じ幸運を意図的に繰り返す」ことといえます。「たまたま」を積み上げていくわけです。
予防=同じ地雷を2度と踏まない
シゴトハックの目的の2つめは「予防」。意味するところは「再現」と似ていますが、この2つの目的はコインの表と裏を成しています。すなわち「再現」を目指すことは「予防」に目を向けさせますし、「予防」をしようと思えば「再現」をその手段として引き寄せるからです。
例えば、以下は予防に重きをおいたシゴトハックです。
- 途中で作業を中断させられてもすぐに復帰するには?(常に頭の中をカラにしておく)
- 「やっつけ仕事」しないようにするには?(スケジュールに“山”と“谷”を作る)
- 行き詰まってしまった仕事の状況を変えるには?(同志を募って始めてみる)
いずれも、「やってしまった」ところを起点にして、そこからいかに素早くリカバーするか、あるいは2度とその“地雷”を踏まないように事前に打てる手を打っていく、というアプローチです。
スピードアップとクオリティーアップへの道
再現と予防がシゴトハックのゴールであるなら、そこに行き着くための過程には何があるでしょうか。すなわち、シゴトハックの手段です。それは次の2つです。
- 整理
- 習慣
1つめの「整理」には、「整える」だけでなく、「しないことを決める」という含意もあります。再現や予防を行ううえでは、やらなくてもいいことや省略できるステップを整理していく必要があるのです。
2つめの「習慣」とは、同じことをするのでも、より少ないエネルギーでできることを目指すことです。いってみれば、「思考と行動の回路化」ということになるでしょう。バラバラのままでは抜けや漏れが懸念されるところを、習慣という回路基板に思考と行動を焼き付けることによって、楽に続けられるようになるわけです。
まとめると、シゴトハックとは、整理と習慣化を通して再現性を高める活動、ということになるでしょう。
とはいえ、要となる習慣というものは一朝一夕には身につかないものです。そこで、習慣化を後押ししてくれるのがツールです。次回以降はツールを軸にシゴトハックを考えていきます。
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