揺れてる中でもサッとかぶれる? 命を守るヘルメット:「いざ」への想定力が決め手、企業の震災対策&グッズ(2/2 ページ)
大地震が来るかもしれない。そう頭で分かっててもどうも危機感がない――なんていう人も多いだろう。従業員のこうした防災意識を踏まえ、企業はどう震災対策すればいいか。オフィスにいる時大震災が来た――と想定して考えてみた。
また、これらを「いざ」という時サッと取り出して使えるよう、普段から手の届く位置に保管しておくことも重要だ。オフィス机に座って作業することが多いなら、ロッカーではなく机周りに備えておきたい。
試しにタタメットをオフィス机の最下段の引き出しに入れてみたら、横幅はピッタリで高さにはまだ余裕があった。またA4サイズの雑誌や書類などを立てかけた間にも違和感なく立てかけられた。
一方、セーフティーハットは、コクヨS&Tの「非常用品セット デスクサイドタイプ」にセットされているものだ。湯たんぽ大のボックスの中にセーフティーハットをはじめ、ホイッスル、防災虎の巻、サイリュームライト、マスクが備わっている。ボックスの裏面には磁石が付いている。厚さ60ミリのボックスごと金属製のオフィス机の側面に張り付けておけるから邪魔にならないし、「いざ」という時サッと取れる。
1度使ったり、使いやすい状態にして「安心」しておくのも重要
また、業務空間を邪魔せず、素早く取り出せる位置に小さく保存しておく前に、やっておくことがある。防災グッズには説明書が付いているが、被災したら冷静に説明書の字面を追いかけていられない心理状態や物理的環境に陥るかもしれない。それを想定し、あらかじめ使い方をマスターしておいたり、まだ使えない状態のものは使える状態にしておくのだ。
例えば今回紹介した中で、筆者が使い方に不安を覚えたのがタタメット。説明書を読みながら広げてみると、ちゃんと広げられるまで数分かかった。やはり1度は試した方がいいと実感。だが、簡単に三角おにぎり型にできることも分かって安堵した。
また「非常用品セット デスクサイドタイプ」のホイッスルは、袋の中にパーツがバラバラに入っており、そのまま使える状態ではなかった。説明書を読みながら、数分かけて名札とひもを付け、初めて使える状態にできた。
さらに、音がちゃんと鳴るか試しに吹いてみると――メーカーのカーメルコーポレーションが「人間が最も敏感に聞き取ることが証明されている、3000ヘルツの音が鳴るよう作った」というだけあり、軽く吹くだけで甲高く響いて驚いた。これならもし生き埋めになった時に虫の息で吹いても、誰かの耳がとらえてくれるかもしれない――そう思うだけで少し安心できた。
また、さらに想定範囲を広げ、外にいる時はバッグをヘルメット代わりに使うなど、あらゆるシチュエーション時の行動を考えておくことも重要だろう。少なくともオフィスにいる限りは、誰もがヘルメットを身近に保管し、サッと取り出してすぐ使える――というところまで従業員の防災意識を上げておくことが、企業の震災対策の第一歩だ。
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