年上の部下とうまくコミュニケーションできません:早田部長、教えてください!
半年前に中途採用で社員Aさんが入社してきましたが、営業のやり方に強引なところがあり、先日も営業先からのクレームがありました。そのため、呼び出して注意をしましたが、まったく聞き入れてもらえません。
就職氷河期世代、ロストジェネレーション、貧乏くじ世代――何かと同情されることの多い30代前後のビジネスパーソン。ようやく上司の立場になってきたが、部下がなんと年上だった――。どうコミュニケーションしたらいいのだろうか。今回も京セラコミュニケーションシステムの早田麻子(はやた・あさこ)事業部長が答えてくれた。
年上の部下とうまくコミュニケーションできません。女性(31歳、企画、係長)
半年前に中途採用で社員Aさん(男性、35歳)が入社してきましたが、営業のやり方に強引なところがあり、先日も営業先からのクレームがありました。そのため、呼び出して注意をしましたが、まったく聞き入れてもらえません。上司の部長(男性、45歳)に相談もしましたが、あまり問題視してくれませんでした。
周囲にはこういった悩みを相談できる同性がいないので、最近はストレスで夜もあまり眠れません。男性の多い職場で上司・部下との上手にコミュニケーションを取るためにはどうすればいいのでしょうか。よろしくお願いします。
「注意してほしい」ではなく「アドバイスを求める」
性別にかかわらず、人間は年下の言うことは聞き入れにくいもの。だから、そんなことで落ち込むことがナンセンス。上から目線で言いつけることも意味がない。営業職だったら売り上げの数字や顧客との関係を示して、部下や上司と同じ目線にそろえよう。
それから、年上の部下に注意を聞かせるのに上司を巻き込むことは有効だが、ただ単に「営業の仕方が悪い」だけではだめ。上司が求めているのは、どんなやり方であれ注文をとってくる営業だからだ。クレームが多くたって、成績が良ければ上司としてもなかなか注意はできない。
そこで「注意してほしい」ではなく「アドバイスを求める」のがいいのではないか。「あのやり方であれば、大事な客を失ってしまうかもしれません。35歳でせっかくスキルがあるのにもったいない。私からだと聞いてくれないので部長からアドバイスしてもらってもいいですか」などと伝える。
女性は「感情で話をする」などと先入観で見られがちだからこそ、上司に訴える際は冷静に分析してほしい。それに、まだまだ社会は男性の力で成り立っている。男性のプライドに配慮できないのであれば、いくら言っても効果はない。
今回答えてくれた部長さん 早田麻子(はやた・あさこ)さん
京セラコミュニケーションシステム(KCCS)東日本ICT営業本部東日本ビジネスイノベーション営業部事業部長。京都市出身。1994年、同志社女子大学学芸学部日本語日本文学科卒業。同年、山一證券入社。1996年、KCCS入社。1997年、情報通信営業部東京営業所に赴任。2001年、首都圏営業1課責任者。2002年、首都圏営業1部副責任者。2003年、ネットワークシステム営業部 ソリューション営業部副責任者 兼 ソリューション営業課責任者に就任。2006年 IPサービス事業本部IPサービス東日本営業部 副事業部長に就任。2007年、東日本ICT営業本部東日本ビジネスイノベーション営業部事業部長に就任、現在に至る。1女児の母。
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