オフィスへの備えは大丈夫? 社員を守るマストアイテム:「いざ」への想定力が決め手、企業の震災対策&グッズ
いつ起きるか分からない、でも起きてしまってからでは遅過ぎる……。いざという時、企業がまず守らなければならないのは社員の安全。そこで「社員を守る」をキーワードにオフィスに備えるマストアイテムを厳選して紹介する。
いざという時、企業がまず守らなければならない社員の安全。「社員を守る」をキーワードにオフィスに備えておきたいマストアイテムの一部を紹介しよう。
オフィスからの帰宅ルートを確認、「帰宅支援マップサービス」
まずネットサービスから紹介しよう。大規模地震が起きると、交通機関の運行がすべてストップすることが予想される。でも、どんなことがあっても、最終的には自宅に帰りたいと思うもの。そんなもしもの時のために、職場から自宅までの帰宅ルートを、あらかじめ確認できるサイトが「帰宅支援マップサービス」なのだ。
地図上に出発点と到着点を入力すると、徒歩で帰宅する際のルートを検索、さらに作成した地図をPDF化するサービスもある。また、帰宅支援ステーションや避難場所、給水拠点など、帰宅支援のための施設情報も網羅されている。利用料金は月額210円、PDFドキュメントの作成は1ファイルにつき315円。
意外となかった「女性用持出袋セット」
次は、女性用の非常用持出袋。世の中数々あるが、意外と少ないのが女性用。女性の気持ちを配慮したほんの少しの工夫で、いざというときの不安な気持ちを軽減してくれるかもしれない。女性が活躍するオフィスの必須アイテムだ。
スペースエクスプレスが企画した「女性用持出袋セット」のセット内容は、非常持出袋、5年保存飲料水(500ミリリットル)1本、クラッカー(約200グラム、3日分)、巾着型救急セット、生理用品(8個入)、防水ライト(単一形乾電池2本付き)、笛(「E-call」)、簡易トイレ(7回分入った「スケットイレS-7」)など。価格は1万3650円。
OA機器や什器を固定 耐震固定グッズ「リンクストッパー」
そして最後は、パソコンやディスプレイ、精密機器、医療機器などの転倒落下による事故防止のための固定ベルト。リンクテック21の「リンクストッパー」シリーズだ。
付属の強力粘着パッドのほかに皿ネジでの固定も可能。設置後の脱着も簡単にできるので、機器のメンテナンスやレイアウト変更時も不便はない。用途に応じてさまざまなタイプのベルトがある。オフィスには普段気付かないようなところに危険が潜んでいるもの。その危険を回避するのも大切な防災対策だ。
できることから始める防災対策
もし今、大地震が起きたとしたら、オフィス内または外出中の社員たちの安全を確保することができるか?
1995年に起きた阪神・淡路大震災以降、防災に対する考え方や意識は大きく変わった。それは、いざ大地震が起きると、何もかもが大混乱に陥るということだ。水道も電気も止まり、どこに誰がいるかも分からず救助活動も進まない……。
企業にとって大きな問題は事業の継続がストップしてしまうことである。つまり経営が危機的状況に陥ってしまうのだ。この教訓を生かし、いつ起きるとも分からない地震被害を少しでも軽減できるよう、今や企業は事業の一環として防災対策に乗り出している。
オフィスを見回してみよう。いざというとき、すぐに避難できる用意をしているか? 社員を守るための準備はきちんとできているか? 第一は人命、社員の安全確保のために今一度、身の回りの準備を確認してみよう。
オフィスの備蓄品チェックリスト
あなたのオフィスではきちんと準備されている? 備蓄品はすぐに持ち出せるように保管しておこう。
□救急医薬品
□担架
□毛布
□照明器具(懐中電灯、セーフティーライトなど)
□ラジオ(予備電池も)
□食料品
□飲料水
□救出機材(ハンマー、バール、ジャッキなど)
□無線装置(あるいは衛星電話)
□ビニールシート
□ロープ
□ヘルメット(防災ずきんなど)
□軍手など厚手の手袋
□簡易トイレセット
『月刊総務』2008年1月号 「オフィスの備えは大丈夫? 社員を守るマストアイテム」より
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