検索
連載

学びは会議室で起きているんじゃない!部下をやる気にさせて育てる指導術(2/2 ページ)

部下をどうやって教育していきますか。部内ミーティングを増やす? 個人面談? 会議に参加させる? 確かにそれも重要です。しかし、部下達の中では、「学びは、会議室で起きているんじゃない!」のです。インフォーマルな時間を活用して、部下の心に届く、学びのメッセージを伝える方法を紹介しましょう。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

インフォーマル教育時には「あなたの失敗談」を

 ここで1つ注意。もしあなたが「よし解った。ではインフォーマルの時に、部下をきっちり指導してやろう」と思ったとしたら、ちょっと待って下さい。

 フォーマル時に発するメッセージと、インフォーマル時に発するメッセージが同じになってしまうと、せっかくリラックスして心を開いていた部下も、すぐに心を閉じて、頭で理解しようという状態になってしまいます。それでは、せっかくのインフォーマルな環境も台なしになってしまいます。

 インフォーマル時に発するメッセージは、指導と言うよりも、「あなたの過去の体験話」をしてあげた方がいいでしょう。部下と同じくらいの時、どんな体験をし、どんなことを考えていたのかを話聞かせてあげるのです。

 というと、「俺がお前くらいの時にはな、もっと頑張ってたぞ!」なんて説教し始めてしまう人がいますが、それは逆効果。部下は辟易(へきえき)として、心を閉ざしてしまいます。

 ここで話して聞かせる効果的な話は、「あなたの過去の失敗話」です。自分が部下くらいの時にやってしまった失敗談と、そこからどんなことを学んで今に生かしているか、という話を、その頃をリアルに思い出しながら話聞かせてあげるのです。

 そうすると、部下は「ああ、この人もこんな失敗をしながら成長していったんだな」と思えるようになりますし、その失敗体験からのメッセージを価値ある学びにしていくことでしょう。

 私自身も研修中には、参加者の方たちに合わせた失敗談を、もうたくさん語っています。「先生なのに、そんなにあけすけに失敗話をしてもいいの?」と心配されたりもしますが、受講者も、失敗談を通じたメッセージの方が、前向きで熱心に受け止めてくれているようです。


 部下をきちんと育てていくためには、フォーマルな場での教育と、インフォーマルの場での教育の両方が必要になります。そして、それぞれの教育は、相互補完の役割を持っていると私は考えています。

 ですから、部下を会議室だけで育てようとするのではなく、もっと、インフォーマルな場での教育にも気持ちを向けて、自分自身の体験を通じ、部下に学びの機会を用意してあげるといいでしょう。

著者紹介 水野浩志(みずの・ひろし)

 マイルストーン代表取締役。「社会に活き活きと働く大人たちを生み出す」をスローガンに掲げ、リーダーシップ・モチベーション創造・自己表現力養成をテーマにした企業研修や公開セミナーを実施。また、研修・セミナー講師向けに、具体的な成果を生み出す効果的なカリキュラムの構築手法や、講師としてのマインド・人間力創りの指導も行っている。現在、日刊(平日)で、メールマガジン「1回3分でレベルアップ! 相手の心を掴むトーク術」を発行中。


前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る