書いて書いて、また書いて――矛盾する自分を出し切る【中編】:「気弱な自分」をプラスに変える(3/3 ページ)
がんばりたいのに、がんばれない。うまくいかない――。そんな気弱な時でもプラス変換はできます。柔道の石井選手はこの方法を実践し、「女々しい自分」を克服しました。克服過程の続きと一緒に、ビジネスパーソンの場合どうしたらいいかを解説していきます。
まず「仕事を楽しくしなきゃの私」「プライベートも充実させたい私」「休みたい私」という欄を作って、欄内にどんどん書き込んでいきます。そして、書いた内容同士をお互いを喧嘩をさせてください。このときのコツは、発言を「but」でつなぐことです。「だけど」とか「でも」でつなぐわけです。
「but」でつないだ書き出しサンプル
「仕事を楽しくしなきゃの私」欄
せっかくプロジェクトリーダーになったんだから、仕事をがんばろう
↓
次に「プライベートも充実させたい私」欄へ
(でも)昔から好きだった写真をもっとやりたい
(だけど)家族と全然出かけてないから、旅行にも行きたい
(だけど)子供が起きているときに帰れなくて顔を合わせてないから、夕ご飯は家で食べた
↓
そして「休みたい私」欄へ
(だけど)オレは疲れた、ぐったりだ
(でも)朝は会議、週末は接待。しかも家族にも気を遣わなくちゃいけない。何もしたくない
↓
ふたたび「仕事を楽しくしなきゃの私」欄に戻り……
(だけど)せっかくリーダーになったし、部下の面倒もみなくちゃいけない。そういえば、A君は悩みはあるっていってたから、飲みにでも行って話を聞いた方がいいし
↓
次に「プライベートも充実させたい私」欄へ
(だけど)A君を飲みにつれていく前に、自分の女房を連れていかなくては
↓
そして「休みたい私」欄へ
(だけど)もう飲みたくない。お酒はもういらない
↓
さらに「仕事を楽しくしなきゃの私」欄に戻って……
(だけど)お酒が入ればこそ、あいつは本音で話してくれるだろう
↓
「プライベートも充実させたい私」欄へ
(だけど)女房との時間を取らなくては。女房は部下じゃないし、面談じゃないんだから、30分で区切れるわけじゃないだろう。もっと時間をかけて女房の話を聞こう
↓
「休みたい私」欄へ
(だけど)もう他人に時間を取られるのがいやだ
という感じで、徹底的にそれぞれの立場の意見を出してください。コツはほかのポジションに気を使わずに、思いっきり出し切ることです。
次回はこの続きを見ていきます。
ピークパフォーマンス 代表取締役
平本あきお(ひらもと あきお)
1965年神戸生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(専門は臨床心理)。アドラースクール・オブ・プロフェッショナルサイコロジー(シカゴ/米国)カウンセリング心理学修士課程修了。人の中に眠っている潜在能力を短時間で最大限に引き出す独自の方法論を平本メソッドとして体系化。人生を大きく変えるインパクトを持つとして、アスリート、アーチスト、エグゼクティブ、ビジネスパーソン、学生など幅広い層から圧倒的な支持を集めている。最新著書は、『すぐやる! すぐやめる!技術 ― 「先延ばし」と「プチ挫折」を100%撃退するメンタルトレーニング』。コミュニケーションやピークパフォーマンスに関するセミナーはこちらから。
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