インフルをインフルと見抜けないと(年末を乗り切るのは)難しい:医者要らずでできるインフルエンザ対策(2/2 ページ)
12月の総務特集は「医者要らずでできるインフルエンザ対策」。そもそもインフルエンザと風邪の違いって? 予防するにはどんなことに気をつければいいの? 個人でできる感染予防策と、企業が取るべき対策を見ていこう。
「悪寒、発熱、関節痛」をチェック
国内でのインフルエンザの流行のピークは、毎年11月〜3月。いったん流行すると、短期間に小児から高齢者まで膨大な数の人を巻き込み、最悪の場合は死に至ることもある危険な感染症なのだ。
ウイルスのタイプは大きく分けてA型、B型、C型の3種類があり、このうち大きな流行の原因となるのはA型とB型。A型はさらにいくつかに分けられ、現在流行しているのは「香港型」と「ソ連型」の2種類だ。こうしたいくつかの型が同時期に流行することがあるため、同じシーズンの中でA型インフルエンザに2回かかったり、A型に続いてB型にかかったりすることがあるわけだ。
風邪との違いの1つは、突然の発熱。「風邪はだらだらと37度程度の熱が続くが、インフルエンザはまず悪寒がきて、その後1日ほどで38度〜40度にもなる発熱がくる」(厚生労働省健康局の結核感染症課)。
また、のどの痛みや鼻水、咳などの症状に加え、「関節痛や筋肉痛など、全身に強い症状が出る」点も特徴的。風邪のように局所的な症状ではなく、全身に倦怠感を感じたら、インフルエンザの疑いが強いというわけだ。「巨人、大鵬、卵焼き」(古い!)ではないが、「悪寒、発熱、関節痛」と覚えておけばいいだろう。
| インフルエンザ | 風邪 | |
|---|---|---|
| 症状 | 高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、咳、のどの痛み、鼻水など | のどの痛み、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、咳、発熱(高齢者では高熱でないこともある) |
| 発症 | 急激 | 比較的ゆっくり |
| 症状の部位 | 強い倦怠感など全身症状 | 鼻、のどなど局所的 |
つまり、
- 38度〜40度前後の突然の発熱
- 全身の倦怠感、関節痛、筋肉痛
- 鼻水が、ひきはじめではなく発熱などの症状の後に出る
上記のような症状が出た場合は、インフルエンザの疑いありということで、すぐに医療期間で受診する必要がある。
感染してしまったら、お茶やジュース、スープなどの水分を多めに補給して、睡眠を十分に取ることが重要だ。48時間以内に抗インフルエンザ薬を服用すれば、発熱期間は1〜2日間を短縮でき、ウイルス排泄量も減少する。ただし、熱が下がってからもしばらくはウイルスを排泄してしまうため、1〜2日間は外出を避けたほうが無難だ。
とは言え、まずは感染しないように注意することがなによりも大事。いったん感染してしまえば、自分はもとより周囲にも迷惑をかけてしまうことになる。次回以降で、個人でできる効果的な予防法について見ていこう。
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