思わず実践したくなる!? 魅力的な代替案を考えてみる:「チェンジ」するための3ステップ(2/2 ページ)
「今年こそダイエットする」には、「明日から」でなく「今すぐ」自分を変えればいいのです。それには実践したくなる魅力的な代替案を導入する必要があります。
「案件レベルの自信」か「ゆるぎない自信」か
さて、「今年こそ○○するぞ」を行動に移すには?で「自信は後からでなく、先につけられる」と、話をしました。なぜ先につけられるのか、つけた方がいいのかを説明をしましょう。
私の尊敬する著名なコーチ、アンソニー・ロビンズは“Emotion Is Created By Motion(感情は身体運動によって作られる)”と言っています。自信がない時は、身体を動かしたり声を出したり、気合を入れたりすると、急に自信がわいてきます。
以前お話しした「テンションとモチベーション」でいえば、この自信はテンション、つまり、心のスイッチのことです。自分軸がモチベーションです。心のスイッチを入れただけでは、テンションが上がっても短期的なものなので、自信は長続きしません。「私は何のためにこれをしているのか」「どうしてこの仕事をしたいのか」という自分軸がしっかりしていないと、身体を動かして「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせても、それは仮の自信です。
転職して新しい会社に入社した時には自信がみなぎっているのに、その後、実績を付けてさらに自信を付けていく人と、だんだん現実を知って自信がなくなっていく人がいます。この場合に自信がなくなるのは、自分の自分自身に対する評価と、周囲の自分自身に対する評価とにギャップがありすぎるからです。私は「これだけのことができると思っている」のに、上司やお客さんは、「いや、キミはこんなもんだよ」と見なす。その時に自信は落ちます。
「案件レベルの自信」は崩れた方がいい
私は、どんな仕事でも、プロフェッショナルになろうと思ったら、自信は一度砕かれた方がいいと思います。確かに自信を持っているから、うまくいく時もありますが、自信を砕かれたことで、「もっと成長したい」と思うプロセスにつながることもあるのです。
また、成長することで、外的環境や人の評価に左右されない、絶対的なゆるぎない自信が生まれてきます。上司やお客さんに言われてなくしてしまうような、マーケットや市況が変わるとなくなってしまうような自信だったら、1度なくした方がいいかもしれないのです。しかし、成長して出てくる自信は外的環境に左右されない自信なので、真のプロフェッショナルになっていきます。最終的に目指したい自信はこちらの自信ですね。
記事中の原さんの例でわいてきている自信というのは、身近で短期的な、案件レベルの自信です。
以前、「4つのレベル」で、「ライフ」「キャリア」「現職」「案件」の各レベルについてお話ししました。この中の案件レベルでは、心のスイッチを入れて自信をもってアクションする方がいいです。しかし、現職レベルやキャリアレベルでは、1回や2回どころか、5回や10回でも自信をなくした方がいいのです。
「自分はリーダーとして、後輩をバッチリ指導してますよ」と言い切る人は、そこで成長が止まってしまうし、なんとなく信用できませんね。「リーダーとしてダメだ」とか「思っていたほど、みんなに慕われていないんだ」と、何度でも自信を砕かれてしまう方が成長します。
ところが、案件レベルで「自分はダメだ」とやってはいけません。「私のプレゼンはダメだ、失格だ」と思っていても、今日のプレゼンは自信満々やってもらわないと、仕事になりません。つまり、テンションレベルでは、案件ごとにテンションを上げて、自信を持ってやってほしいけど、自分軸レベルでは何度も挫折して失敗してください、ということになります。何度でも自信をなくしてください。その時に、本当に中心になる、ぶれない自分が見つかるでしょう。
転職者は、「究極的にはこの会社で自分の才能を発揮し、お客さんに喜ばれて、業績を出して貢献し、認められる」という部分では自信を持ってほしいけれど、「こんな仕事なんかちょろいもんだ」という自信は1回、砕かれてほしいですね。
そして、上司の対応も重要です。「キミはここではやっていけないよ」みたいに、自信をなくさせるのはまずい。だからといって、「こんなの簡単ですよ」という部下の言葉を信じすぎて大失敗されたら、会社の名誉に関わります。上司はそのあたりを見極めるのが非常に重要になります。
ピークパフォーマンス 代表取締役
平本あきお(ひらもと あきお)
1965年神戸生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(専門は臨床心理)。アドラースクール・オブ・プロフェッショナルサイコロジー(シカゴ/米国)カウンセリング心理学修士課程修了。人の中に眠っている潜在能力を短時間で最大限に引き出す独自の方法論を平本メソッドとして体系化。人生を大きく変えるインパクトを持つとして、アスリート、アーチスト、エグゼクティブ、ビジネスパーソン、学生など幅広い層から圧倒的な支持を集めている。最新著書は、『すぐやる! すぐやめる!技術 ― 「先延ばし」と「プチ挫折」を100%撃退するメンタルトレーニング』。コミュニケーションやピークパフォーマンスに関するセミナーはこちらから。
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